学び・勉強

【読了記録】セカイを科学せよ!/安田夏菜(蟲と青春コメディー。)

さっさ

どうも、さっさです。
安田夏菜の小説『セカイを科学せよ!』を読みました。
読書感想文全国コンクール、中学校の部の課題図書です。

発行 2021年10月14日
読了 2022年7月27日

https://amzn.to/3PGrisW

この本はKindle端末でも読めます。

https://amzn.to/3zd4PN3

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読んだきっかけ

これです↓

https://www.dokusyokansoubun.jp/index.html

塾講師として、読書感想文に悩む人の役に立ちたい!ということで今回で2冊目となりました。

前回は、娘が現在小4ということで、小学校中学年の部から1冊選びました↓

今回、小学校高学年の部を飛ばして中学校の部にしたのは、高学年の部にKindleで読める本がなかったからです(汗)。

紙の本はどうせ売ることになるのですが、その手間が嫌なので、できるだけKindle本で買うようにしています。

あらすじと感想

藤堂ミハイル――堤中学二年。父は日本人、母はロシア人。髪は栗色、瞳は茶系でくっきりとした二重まぶた。そば屋でそばなんか食ってると、「まあっ、日本人みたいにおはし使ってる」と知らないおばさんに騒がれたりする。
山口アビゲイル葉奈――転校生。ルーツはアメリカと日本。モコモコとふくらんだカーリーヘア。肌の色は、ちょっとミルクの入ったコーヒー色。縦にも横にも大きい。日本生まれの日本育ちで、日本語しか話せない。好きなことは……。
すべてが規格外の転校生は、オタク的に「蟲」が大・大・大好き! カミキリムシ、カナヘビ、ワラジムシ、ハエトリグモ……!! 教室のあちこちから上がる悲鳴!!! クラスは騒然!!!!
ミハイルと葉奈、そして科学部の面々は、生物班の活動存続をかけ、学校に「科学的な取り組みの成果」を示さなければならないことになってしまった。ミックスルーツの中学生が繰り広げる、とってもコメディでバイオロジカルな日々をご覧ください!

Amazon商品ページより

中学校の科学部の人たちが、部の存続をかけて奮闘します。これが物語の本筋です。

部活と青春のノリ、あと「蟲」が好きな人には、面白い本だと思います。

ただ、僕としてはせっかくハーフの2人(作中ではダブルとかミックスと呼ぶべきとあります)が出てくるので、読者の中にある日本人観をもっと揺さぶって欲しかったです。

ミハイルも葉奈も、見た目と発想が日本人離れしています。

それが理由で周囲から浮いてしまうわけなんですが、外国にルーツを持つ人から見たら、言いたいことを我慢して他人に合わせている日本人が異様だと思います。

自分の好き嫌いをハッキリ伝えるだけで孤立してしまうミハイルと葉奈。

ここに考えるべきポイントがあります。

言いたいことがあるのに、我慢して飲み込んでしまっている人は多いです。(僕は飲み込み続けて体調を崩してしまったので、前の会社を辞めました。)

実はこれ、昔から周囲とうまく溶け込むことが生きる手段だった日本人ならではの特徴。でもストレスはたまるので、発散のために、たとえば江戸時代なら百姓の下に「えた・ひにん」という身分を作っていました。

韓国や中国、インドの人と話したことがある人は、彼らの気の強さが分かります。いくつも戦争をしてきています。武力ではもちろん負けてはいけない上に、口でも負けてはいけないのです。その歴史が現在につながっているのです。

日本人は別に言い負けなくても、周囲に溶け込んでさえいれば生活できました。その結果、自分の感情をストレートにいう人が浮いてしまうようになりました。特に感情が出やすい学生時代にありえます。

「日本人観」の揺さぶり。これを軸にして話を進めた方が、僕には心地良かったですね。

まとめ

今回は安田夏菜の小説『セカイを科学せよ!』の読了記録でした。

蟲や部活の青春よりも、外国にルーツを持つ人の特徴やその人から見た日本人。

もし読書感想文を見せてもらうとしたら、こういう方向で書かれていた方が高評価ですね(僕だったらですよ)。

それでは、また。

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ABOUT ME
さっさ
さっさ
塾講師。読書家。
1982年生まれ。愛知県一宮市の塾講師。読書量は年間100冊以上。勉強のやり方、自己啓発や心理学、ビジネスや哲学関連は読み尽くし、現在は小説が中心。読了記録を書き残しています。参考になればうれしいです。
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