【読了記録】神の子/薬丸岳(ひろしちゃん…)
どうも、さっさです。
薬丸岳の小説『神の子』を読みました。
ネタバレ無しで振り返ります。
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あらすじと感想
上巻のあらすじ↓
少年院入所時の知能検査でIQ161以上を記録した町田博史。戸籍すら持たぬ数奇な境遇の中、他人を顧みず、己の頭脳だけを頼りに生きてきた。そして、収容された少年たちと決行した脱走事件の結末は、予想だにしなかった日々を彼にもたらすこととなる―。一方、闇社会に潜み、自らの手を汚さずに犯罪を重ねる男・室井は、不穏な思惑の下、町田を執拗に追い求めていた。
「BOOK」データベースより
下巻のあらすじ↓
身許引受人の町工場で働きながら、大学に通いはじめた町田。知り合った学生たちの起業を手伝うことにもなり、他人と過ごす時間が彼の心を少しずつ解きほぐしていく。だが、忌まわしい過去は、彼を易々と手離しはしなかった。ふたたび町田に接近する室井の真意とは…!?吉川英治文学新人賞作家が描く、エンタテインメントの醍醐味を存分に詰め込んだ圧倒的傑作!
「BOOK」データベースより
読んでいてしばらく謎だったのは、「誰が神の子なんだろう?」「そもそも神の子ってどういう意味?」というところ。
そんなことを気にしながら、町田をはじめ少年院の人たちと、関連人物の人生を追いかけていきます。
町田は生まれた時から戸籍が無い男。殺人事件の犯人として少年院に収監されるものの、出所後は大学生として過ごします。
途中で町田以外の人物視点での話を行ったり来たり。
少年院から一緒に脱走を図った雨宮、磯貝。雨宮は姉と共に闇の組織に属しており、雨宮は一刻も早く姉を組織から解放すべく動きます。磯貝は脱走時に事故に遭い、両腕を無くしてしまいます。
少年院の教官・内藤。過去に和也という息子を亡くしており、少年院の子たちへの思い入れが強い男。
町田の引き取り先である前原家、母の悦子と長女の楓。
町田と一緒に会社を立ち上げる為井、変人の繁原。
いやあ、文庫本で上下巻あるこの小説。まだまだ読んでいたかったですね。
町田を追いかける室井。
この話だけで何百ページ使うんだっていうくらい、じれったい。
でも、早く結末が知りたいから、他の人物の視点になってもどんどん読んでしまいます。
ひょっとして薬丸岳の小説史上1位かもしれません。
こんなにそれぞれのキャラがしっかりしていて、読み終わってももっと読んでいたい気持ちになることはなかなかありません。
Amazonで検索したら、どうやらまだ映像化はされていないみたい。
マジか、すればいいのに。絶対面白いから。
町田の成長。
為井の成長。
内藤の親心。
楓の心境。
どれもが心を揺さぶられました。
この小説はジャンル分けが難しい。
少年犯罪を扱ったミステリーがメインですが、恋愛や家族愛、経済小説の要素もあります。
タイトルの「神の子」の謎は、ぜひ謎のまま読んで欲しいですね。
誰が神の子で、何が目的なのか。
合計1000ページを越える物語。
長い話でしたが、まだまだ読んでいたかった。
まとめ
いかがでしたか?
今回は薬丸岳の小説『神の子』の読了記録でした。
いやあ、薬丸岳の小説はいずれ全部読むつもりですが、この次に読むものを決めるのが難しい。
『神の子』を越えるものに出会えるかどうか。
まあ、直感でピンと来たものから読んでいくしかないですね。
小説の良し悪しは読むタイミングでも変わりますから。
いつ読めばベストかなんて、自分にも分かりません。
これからも新しい本との出会いを楽しみます。
それでは、また。