【読了記録】闇の底/薬丸岳(死刑執行人サンソンを追う)
どうも、さっさです。
薬丸岳の小説『闇の底』を読みました。
ネタバレ無しで振り返ります。
青字をタップすると、Amazonの商品ページに行けます。
読んだ経緯
Amazonで薬丸岳の小説を探してたどり着きました。
薬丸岳は『虚夢』、『悪党』、『天使のナイフ』を読みました。今回この『闇の底』で、デビュー後の4作品を読んだことになります。
東野圭吾でいうと『容疑者Xの献身』のような、心をえぐられるものが好きで、薬丸岳の小説は似たような読書体験ができます。
あらすじと感想
子どもへの性犯罪が起きるたびに、かつて同様の罪を犯した前歴者が殺される。卑劣な犯行を、殺人で抑止しようとする処刑人・サンソン。犯人を追う埼玉県警の刑事・長瀬。そして、過去のある事件が二人を結びつけ、前代未聞の劇場型犯罪は新たなる局面を迎える。『天使のナイフ』著者が描く、欲望の闇の果て。
「BOOK」データベースより
刑事・長瀬によるサンソン探しがストーリーのメイン。
長瀬自身には幼少期に妹の絵美が、異常性愛者に殺された過去があります。
司法の代わりに正義の味方気取りでいるサンソン。
世界的に見ると、日本の性犯罪者への処罰は甘いそうですね。
裁判をしても、被害者児童の親からすれば、まず納得がいかない軽い刑が処されます。
司法制度と被害者遺族の温度差。
正解のないモヤモヤは、決してスッキリすることはありません。
江戸時代であれば、敵討ちが認められていました。殺人が更なる事件を防ぐ、ある程度の効果を持っていたのです。
でも令和の現代では、それは御法度。判決を司法に委ねるしかありません。
長瀬の捜査を一緒に追いかけながら、「もし自分の子どもが酷い目に遭ったら、どれだけ怒り狂うだろうか」と、自分との対話をしておりました。
大学の法学部の講義とか、ゼミでその手のディベートなんてしたら、この小説はいい教材になると思います。
サンソンはもちろん意外な人物です。そして物語の結末は、すごく印象的。終わるんだけど、終わらない。
この余韻がいい。
まとめ
いかがでしたか?
今回は薬丸岳の小説『闇の底』の読了記録でした。
薬丸岳の小説はこれで4冊読みました。
いずれも直感で買ったのですが、それがたまたま薬丸岳がデビュー後の4冊を読んだことになりました。
どれも重厚で心えぐられる感じで好みでした。
ここからの作風の変化や進化を、順番追いかけるのも面白そうですね。
飽きるまでやってみようかな。
それでは、また。