【読了記録】運転者/喜多川泰(人生の価値が高まる傑作。)
どうも、さっさです。
喜多川泰の著書『運転者』を読みました。
久しぶりに本で泣きましたよ。
不思議なタクシー運転手が登場するのですが、「運を転ずる者」として悩める人を乗せているということです。
発行 2019年3月28日
読了 2022年7月1日
読んだきっかけ
Amazonプライム特典で¥0で読めるのを発見して、読みました。
以前、喜多川泰の『手紙屋 蛍雪篇』は読みました。内容は熱くて、塾の授業で言葉を変えて話していました。「勉強は道具でしかなくて、できればいいってものでもない」、「勉強したくないならしなくていい。でもきっとまたしたくなる」とか、グッときたところはたくさんあります。
大まかな内容と感想
「…なんで俺ばっかりこんな目に合うんだよ」思わず独り言を言った、そのときだ。ふと目の前に、タクシーが近づいてくるのに気づいた。累計80万部喜多川泰、渾身の感動作!報われない努力なんてない!
「BOOK」データベースより
冴えない40代保険営業マン、修一。
せっかく取れた保険の大量キャンセルが発生し、次回から給料が激減。中学生の娘は不登校で、生きていてももう楽しくないという状況です。
ふと乗ったタクシーで運転手と話すうちに、自分の人生と向き合うことになった修一。物語の終盤では、すでに亡くなっている父親と祖父の生前の様子も分かり、修一は今後の生き方を見つけます。
この父親と祖父の話が泣けて泣けてしょうがない。
父親の政文は岐阜の商店街でファンシーショップを経営していました。近くに大型ショッピングセンターができて、周りはどんどんシャッター街と化していきます。政文の店の経営も苦しい。当時、修一はまだ大学生。遊ぶお金も必要だから仕送りの額を減らすわけにはいかない。自分が死ねば保険金で家族が救えると思った政文は、早朝に山へ出かけます。足を滑らせに行こうとしていました。
祖父の良蔵は26歳の時に戦争でサイパン島に行っており、そこで命を落としました。武器は残弾ゼロの小銃の先に付いている曲がった剣と石ころだけ。当時まだ1歳の政文は良蔵については、そんな人がかつていた、という感じで名前しか知りませんでした。
修一は自分の不幸な状況を誰かのせいにして、いつも不機嫌でした。
でも、政文と良蔵のことをなぜか知っている不思議なタクシーの運転手と話しているうちに、今の自分はなんて幸せなのだろう、と気が付くのです。
「じいちゃんと父さんが貯めてくれた運のおかげで、今の自分がある」
そうやって気がつくことができた修一。
同時に、僕も自分の人生を修一に重ねながら、涙が止まりませんでした。
僕もギターと蕎麦打ちを始めようかな(笑)。
それでは、また。