【読了記録】放課後に死者は戻る/秋吉理香子(切なさと驚きの青春ミステリー。)
どうも、さっさです。
秋吉理香子の小説『放課後に死者は戻る』を読みました。
ネタバレ無しで振り返ります。
発行 2017年11月6日
読了 2022年5月
読んだ経緯
秋吉作品は『絶対正義』、『サイレンス』と読みました。
こんなムカつく女は、他にいません。
こんなキレイで恐ろしい女は、他にいません。
あまりの面白さに、秋吉作品を全部読む計画が発動。
この『放課後に死者は戻る』で、16冊中5冊目となりました。
秋吉理香子は、クセのある女性を描くのが上手い。
知り合いにいそうで、いなさそうな絶妙なラインの描写がお見事。
もっと映像化されて、注目されてもいい作家です。
あらすじと感想
ある夜、教室の机に入った手紙で呼び出された僕は、崖から突き落とされた。目覚めると、冴えないオタクだったはずが、巻き添えになった美形の男子高校生の姿に変わっていた―元いたクラスに転校生として潜入した僕は、入れ替わった姿で犯人捜しをはじめる。いったい誰が僕を殺したのか?そんな僕に警告を発するのは何者か?初なさと驚きに満ちたラストが待つ傑作青春ミステリー!
「BOOK」データベースより
冴えないオタク・小山のぶお。
病院で目覚めると、見覚えのない母親や知り合いがお見舞いに来ています。
鏡を見ると、崖から一緒に落ちた高橋真治になっていたのです。
高橋はイケメンでバンドをやっています。美人の彼女もいます。
地味な鉄道オタクだった小山のぶおにとって、ガラリと変わった人生が待っていました。
そんな小山を追いかけて読むのも、面白いです。
でも本筋は、小山のぶおを突き落とした犯人を探すこと。
高橋真治として、小山のぶおの高校の同じクラスにわざわざ転校したのでした。
高校の同じクラス、35人の中に必ず犯人がいます。
クラスには華やかなグループから地味なグループまで、さまざまな人物が登場。
サッカー部で人気のある佐々木君と新井君。
小山のぶおと気が合う鉄オタ・田中吉雄。
可愛く、明るく、少々キツイところもある、文化祭実行委員長の城崎由加里。
地味で大人しい園芸委員の丸山美穂。
その誰もが怪しいと思いながら読み進めていくうちに、ついに真相にたどり着きます。
「マジか……」
確かにこれは”切なさと驚きに満ちたラスト”でした。
最後もいい終わり方。
「ありがちなストーリー」などと、Amazonレビューでは冷めた人もいますが、僕は好きだなあ。
さて、Wikiによると次の作品は『聖母』。
娘を守るために奔走する母親の話のようです。
秋吉理香子のことなので、ぶっ飛んだ言動をする母親が想像できて楽しみです。
それでは、また。