【読了記録】機長、事件です!/秋吉理香子(新人パイロットの初フライトは事件がいっぱい。)
どうも、さっさです。
秋吉理香子の小説『機長、事件です!』を読みました。
ネタバレ無しで振り返ります。
発行 2017年3月
文庫化 2019年10月24日
読了 2022年6月10日
読んだきっかけ
『絶対正義』、『サイレンス』と読んで、秋吉ワールドにハマりました。
以来、秋吉作品を全部読む計画を進めています。
同じ作家の一気読みは面白い。
根っこは同じでも、枝葉は違う。という感じでしょうか。
根っこが分かっているから、異なる枝葉それぞれも個性だと感じられる。
そういう読書もいい。
あらすじと感想
若きパイロット間宮治郎は、国際線デビューに胸を膨らませていた。だが初フライトを共にすることになったのは、厳しくて毒舌、変わり者で有名な美貌の女性機長、氷室翼だった。成田・パリ間の旅程ではトラブルが続発。往路では婚約指輪の消失事件が起こり、ステイ先では怪しげな連中に迫られ、ついには殺人事件にまで遭遇してしまう。氷室は持ち前の頭脳と観察力で事件の真相に迫るが!?ポップなトラベル&お仕事ミステリ!
「BOOK」データベースより
氷室翼。
ニッポン・エアラインのパイロット3,000名のうち、女性パイロットは20名程度。空の世界では珍しい女性パイロット。
そんな氷室翼と一緒に飛ぶことになった、若きパイロット間宮治郎。
成田・パリ間の往路では、機内で乗客の婚約指輪が無くなります。パリでは間宮が怪しげな連中に絡まれたり、復路までの空き時間で訪れたモン・サン・ミッシェルでは、殺人事件に巻き込まれたり。
周りに翻弄される間宮と、いつも冷静に物事を判断する氷室。
航空業界の専門用語とか、フランスではwi-fiのことを「ウィフィ」ということとか、モン・サン・ミッシェルを真似して「ハリー・ポッター」のホグワーツは作られたとか、なるほどなことも。
感じてしまったのは、氷室の現実感の無さ。
賢くて美人で冷静な判断ができて、いつも「だ・である」で話す女性って、なんか実在しない感じがして、違和感が大きい。「キングダム」の楊端和みたいに、どこかの部族の女王なら納得ですけどね。
相沢沙呼『medium 霊媒探偵城塚翡翠』の女霊媒探偵は、本当に色気があって可愛い感じがしました。
ですが、この作品の氷室とか、知念実希人『ガラスの塔の殺人』の女探偵は、魅力が全く感じられません。
美人だとか、周りの男性がドキッとした、という描写はあるものの、僕には「そうか?」という感じ。
小説に出てくる女性について語れる人がいないので、ここでわちゃわちゃ言ってるしかないのが悲しい。同志求む……。
秋吉理香子の小説で初めて持った違和感。
若い頃、付き合っていた女性に嫌なところが見つかって戸惑うことがありました。1つのイヤで全部イヤ。この先どうしよう。当時はそんな風に悩みました。
でも、今は大人。
秋吉理香子の小説は全部読みます。
これで秋吉作品は11冊読みました。
あと5冊でコンプリートです。
それでは、また。