【読了記録】禁断の魔術/東野圭吾(湯川の高校の後輩による失踪と企み。)
どうも、さっさです。
東野圭吾の小説『禁断の魔術』を読みました。
文庫本発行 2015年6月10日。
読了日 2022年4月29日。
ガリレオシリーズ8作目。シリーズ初の完全書き下ろしです。
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読んだきっかけ
東野作品の完全制覇を目指しています。
この本の前には『幻夜』を読みました。779ページの長編です。だからかな、この本はあっという間に読めた感があります(笑)
『幻夜』の読了記録はこちらから↓
あらすじと感想
姉を見殺しにされ天涯孤独となった青年。愛弟子の企てに気づいたとき、湯川がとった驚愕の行動とは。!
「BOOK」データベースより
かつて湯川が指導した、高校の物理クラブの後輩・古芝伸吾が帝都大に入学してきた。だが彼は早々に大学を中退してしまい、その影には彼の姉の死が絡んでいたらしい。その頃、フリージャーナリストが殺された。その男は代議士の大賀を執拗に追っており、大賀の番記者が伸吾の死んだ姉であったことが判明した。草薙は伸吾の姉の死に大賀が関与しており、伸吾が大賀への復讐を企んでいると警戒する。湯川はその可能性を否定しつつも、伸吾が製作したある“装置”の存在に気づいていた。「私は君にそんなことをさせたくて科学を教えたんじゃない」――湯川と愛弟子の対決の結果は!?
単行本『禁断の魔術』では中編(250枚)「猛射つ」として発表された作品に、200枚超加筆する文庫オリジナル長編バージョン。
↑これ、Amazonの商品ページに載っているものなんですけど、物語のほぼ全部ですね(汗)こういうのは序盤のみを示しておくものなのですが…
今回の特記事項は、湯川の高校の後輩が出てくること。
同じ物理クラブで、部員が少なくて存続の危機だったところ、古芝という後輩が湯川を頼った結果、新入部員の確保に成功します。
古芝は湯川と同じ帝都大を受験して見事に合格。しかし、姉の死で退学せざるを得ませんでした。しかも、その姉の死に、次期総理大臣と言われている大賀議員が絡んでいて…
とまあ、こんな話です。
読めば読むほど、東野圭吾ってほんと上手く書くよなあ、と、94冊目でも思わされます。
何が上手いって、人間模様ですよね。
序盤では大物議員の大賀にはムカついて仕方なかったのですが、終盤にはちょっと同情してしまうところが出てきます。
湯川に捜査協力依頼やお礼のために、草薙は高級焼酎の「森伊蔵」や高級ワインの「オーパス・ワン」を持っていきます。
普段は冷徹に見える湯川ですがお酒には目がない、というのは何だか憎めないじゃないですか。
森伊蔵はこれ↓ビックリのお値段!
オーパス・ワンはこれ↓これもビックリのお値段!
東野作品は、大人の世界の勉強にもなります。
あと、いつも思うのは、読み終わった後パタンと本を閉じた時に見る表紙。
これ、ちゃんと意味があるんですよね。
今回は鉄を削ってできた断面の写真だそうです。
うん、確かに。読後の余韻を心地よいものにしてくれます。
装丁のデザイナーって、表に出てくることはなかなかありませんが、東野作品ではいつも秀逸だと思って見ています。
それでは、また。