【本の要約】僕らはそれに抵抗できない/アダム・オルター(依存症ビジネスに立ち向かえ)
どうも、さっさです。
今回は「僕らはそれに抵抗できない」のさっさ的要約。
依存の変化 物→行動へ
これまでは酒やタバコ、ドラッグなど物質への依存がよく言われてきました。
最近ではスマホでYouTubeをみたり、SNSやゲームを何回も開いたり、気になるドラマを一気に見てしまったり。スマホを持っていれば、誰もが1度は経験があるのではないでしょうか。
実は「行動への依存」は、各テック企業によって巧妙にデザインされたものです。スマホでSNSや動画、ゲームに夢中になってしまうのは、あなたの意志が弱いからではありません。そうなるように、あらかじめ仕組まれたものなのです。
ですから、仕組まれたものだと知った上で、スマホとの付き合い方をもう1度考えてみるのがいいかもしれませんね。
企業が使う6つのテクニック
①魅力的な目標
人は数値化された目標に依存しやすくなりました。
例えば「スマートウォッチ」
1日15,000歩が目標で、そこに達しないと敗北感が出てきて、イヤでも挑戦させられてしまうことがあります。
SNSも人の欲望を巧妙に刺激します。
InstagramやTwitterで発信すると、「いいね」の数が気になりますよね。僕の場合は東野圭吾の本の読了ツイートで100いいねを超えることがあるのですが、反響の大きさに興奮させられます。
しかし、目標へのプレッシャーや他人との比較といった、マイナスな面も出てきてしまいます。
② 不確実性フィードバック
人は結果が不確実の方が燃えてくる生き物。
勝率7割くらいがちょうどいい数字のようで、パチンコやスロットがどのように設定されています。
SNSの「いいね」の数も不確実性があって、「自分の投稿はどれくらいの反響があるのだろう?」と楽しみにしてしまうところがあります。
「やってみないと反応が分からない」というところに中毒性があります。
③進歩の実感
最初は簡単で、だんだん難しくなっていくのがいい感じ。
ファミコンの「スーパーマリオブラザーズ」がヒットしたのは、そこに理由があります。1-1はみんな簡単にクリアして、地下に潜る1-2以降、少しずつ難しくなっていくという感じでしょうか。
スマホのゲームでも、最初は無料である程度まで進められたり、強くなったりしていきますが、それ以上を求めたかったら課金してくださいね、という仕様になっています。
④難易度のエスカレート
だんだん難易度が上がっていくものに「テトリス」というゲームがあります。
「自分のスキル」と「ギリギリ超えられる難しさ」、これらのバランスが絶妙なものに、人は魅力を感じます。
簡単すぎず、難しすぎず。仕事でもゲームでも運動でもこれくらいの難易度のタスクが心地よいのです。
ゲームではプレイヤーのレベルに合わせて、どんどん難しくなっていきます。大半の人は途中で投げ出すのですが、一部のユーザーはどハマりして多額の課金をするようになるのです。
⑤ クリフハンガー
動画配信サービスの台頭で、ドラマを一気に見てしまうという恐ろしい習慣が現れました。
例えば主人公の命が絶体絶命というシーンが、各話の終盤に盛り込まれると、視聴者は続きを見たくなります。これは「クリフハンガー」という手法が使われているのです。
未完結のものは続きが気になる、という心理をうまく利用しています。
⑥社会的相互作用
人は社会的な生き物で、誰かとの関わりを求めるものです。
同じ価値観を持つ集団に所属したいという社会的欲求と、他人に認められたいという承認的欲求が、人を依存へと向かわせます。
代表的なのはオンラインゲームで、これらには没入感、 達成感、 社会的要素 の3つの要素が含まれています。
没頭できるゲームであること、何かのミッションを達成すること、そして一緒にプレーする仲間がいるということが、プレイヤーを依存へと向かわせるのです。
では我々はどうすればいいのか?
①早期予防
悪い習慣を断ち切るのは難しいため、依存症にならないように「予防」することが大切です。特に、前頭前野が未発達の子どもたちは大人より依存症になりやすいため、改善が難しいです。
20代後半になって、やっと行動にブレーキがきくようになってきます。
②行動アーキテクチャで依存から立ち直る
意志の力だけで依存症を克服するのはほぼ不可能です。
そもそもスマホを触らない、ゲームをする時間を決めるなどして環境を作り込んで、自然に依存症から離れるようにデザインすることが鍵となります。
③ゲーム性を利用した依存症対策テクニック「ゲーミフィケーション」
依存のメカニズムを逆手にとって、「自分がやるべきこと」などをデザインすることです。
よく考えれば、本当に自分に必要なこと、本当に損得抜きで好きなものはごくわずかなはず。あれもこれもで忙しく疲れる毎日を過ごしているのなら、まずは脱スマホ、脱ゲームを目指しましょう。
そして、本当に自分がやりたかったことに時間とお金を使うことです。
まとめ
いかがでしたか?
スマホやゲームに関することは、自分自身でも悩んでいる人もいますし、親が我が子に悩むこともありますよね。
悩みが深いなら、ぜひ上記の内容を知った上で、人生を変えるきっかけとしたいです。