【読書記録】天使の耳/東野圭吾(交通事故はアカンね、気をつけよう。)
どうも、さっさです。
東野圭吾の小説「天使の耳」を読みました。
ネタバレ無しの読書記録です。
1995年刊行の短編集。交通事故に関する話が6つ収録されています。
2023年に安田顕と小芝風花らでドラマ化されました。
あらすじと感想
深夜の交差点で衝突事故が発生。信号を無視したのはどちらの車か!?死んだドライバーの妹が同乗していたが、少女は目が不自由だった。しかし、彼女は交通警察官も経験したことがないような驚くべく方法で兄の正当性を証明した。日常起こりうる交通事故がもたらす人々の運命の急転を活写した連作ミステリー。
Amazon商品ページより
天使の耳
交差点で車同士が衝突。
一方の運転手が死亡します。
その助手席に乗っていたのは運転手の妹。彼女は目が見えない代わりに、耳が鋭い。事故当時にラジオで流れていたユーミンの歌から、事件があった時刻を正確に言い当てます。
視覚障がいのおかげで事故の真相が明らかになったと思いきや…。
小説だけでも読み応えのある話。
ドラマでは交通警察で小芝風花が生意気な下っぱという役所。これも面白い。実際、職場の後輩で先輩にグイグイ絡む人ってっほぼいないんですよね。僕としてはもっと絡んでほしいんですけども、黙っていることが気遣いだと思っているのか、絡むと面倒だと思われているのか。
思ったことをサラッと口にできる小芝風花。いい感じです。
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分離帯
トラックが目の前の何かを避けようとして、急ブレーキ。
右に急ハンドルを切って横転。トラックの前半分は分離帯に衝突してはみ出していました。
運転手は死亡。安全運転でおなじみの人でした。そんな人がなぜ事故を?
トラックの後ろを運転していた人物が、左側に路上駐車されたアウディが出ていくのを目撃。
死んだトラックの運転手の妻は、担当刑事の高校の時の同級生。2人でアウディの運転手探しが始まります。
このアウディに乗っているおばさんがまあ腹立つ女。「人が死んでるのに、その偉そうな態度は何なん、ムキー!」ってなります。
でも、そこはさすが東野小説。おばさんへの天罰とは。
危険な若葉
とある山道。目の前の初心者マークの車のトロトロ運転にイライラした男は、煽り運転を開始。
前の車はガードレールに衝突。
煽り運転をした男は、女性が亡くなってはいないことを確かめると、現場から逃走します。
運転初心者の女性は回復後、煽った男を特定して復讐を始めるのでした…。
いやあ、これも恐ろしい。
とはいえ、初心者のトロトロ運転はイライラしてしまうのも事実。一時停止は無視するわ、一時停止しなくてもいい所で止まるわ、「もう、なんなの。ムキー!」となることがあります。
自分自身のことも考えさせられる章でした。
通りゃんせ
路上駐車していた車がぶつけられました。
ぶつけた人物は、お詫びにお酒をあげたり、別荘への招待を提案したりしてきます。
しかし、その後に衝撃の展開が。
これも恐ろしい。
ほんの一時の、ほんの些細な気持ちでやったことが重大事故に繋がってしまうのか。
僕の現在の自宅周辺は元々狭い道が多く、路駐が困難。この話のようなことはピンときません。
でも、大学の駐車場で無茶な止め方をしている車がうっとうしいと思ったのは覚えています。どうしても近い駐車場に止めたいですからね。満車でもドンドン入ってきます。離れた駐車場だと講義に遅れてしまうんです。じゃあ、もっと早く出ればいいじゃないかということですが、大学生にそこまでの判断力は無くてですね…。
捨てないで
高速道路で前の車が窓から捨てた缶コーヒーの空き缶が、後ろの車の助手席に乗っていた女性の顔に直撃。
女性は左目の視力を失ってしまいます。
運転していた婚約者は、その空き缶を取っておきます。
そして前を走っていた車、白いボルボ探しを始めます。
一方、当時ボルボの運転手は不倫相手の女性と走っていました。
その女性と一緒になるために、奥さんの殺人計画を立てているところでした…。
これも印象的な話。空き缶1つで視力を失ってしまったり、後々殺人事件のキーポイントになってきたり、という唯一無二の話です。
僕は前の車の運転手が窓からタバコを捨てるところは何回か見たことがあります。さすがに空き缶はないですけど。
ところで皆さんは窓を全開にすることはありますか?僕はほぼないです。トラックの排気ガスの匂いが入ってきてしまった時に開けて換気するくらい。
空き缶は極端だと思いますが、例えば虫とか。それでなくても花粉や砂埃が舞っていると思うと、いつも窓を開ける勇気が出てきません。
鏡の中で
交差点で車とバイクが衝突。
バイクを運転していた19歳の男性は死亡。
車を運転していたのは、東西化学株式会社陸上部コーチの中野。
中野の証言は事件の流れと一致。本人も過失を認めています。
しかし、担当刑事には違和感。
アルコールが検出されていないこともあって、それほどスピードが出ていなかったのに、交差点を曲がったところで対向車に正面衝突するのは、何かおかしい…。
これは実際にありそうな話。
相手が亡くなったのをいいことに、加害者側で事実を曲げてしまおうというものですね。
まとめ
いかがでしたか。
今回は東野圭吾の小説『天使の耳』の読書記録でした。
ポイ捨てや路駐といったちょっとした不注意が、大きな事故、大きなしっぺ返しになるというのが教訓となる作品です。
個人的には、免許更新の時に全員に配布すれば、交通事故はかなり減るのではないかと思います。事故は減るし、東野さんは儲かるしでwinwinじゃないですかね。空き缶のくだりの一部をその場で放送するのもいいな。絶対効果あると思います。
一時停止で止まらない人とか、止まらなくていい所で止まる人とか、スマホを見ていて信号が青になったのを気が付かない人に、この本は読んでほしいな。
それでは、また。
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