【読了記録】交渉人・遠野麻衣子 籠城/五十嵐貴久
どうも、さっさです。
五十嵐貴久の小説『交渉人・遠野麻衣子 籠城』を読みました。
ネタバレ無しで振り返ります。
青字をタップすると、Amazonの商品ページに行けます。
この小説はKindle版で購入。
読書端末はKindle Oasisを使っています。
あらすじと感想
喫茶店経営者が客を人質に籠城。自ら通報した犯人はテレビでの生中継を要求する。前代未聞の事態に麻衣子は困惑するが、そこにはある狙いが――。『交渉人・籠城』を改題&大幅改稿した傑作警察小説!
Amazon商品ページより
シリーズ3作目。
前作『交渉人・遠野麻衣子 爆弾魔』で信頼を得た遠野麻衣子は、そのまま交渉役の刑事として勤務することになりました。
冒頭、警視庁への電話。それはなんと、お客さんを人質にして自分のお店である喫茶店に立てこもっている、と犯人が自らかけてきたものでした。
犯人は福沢基之、41歳。美津子という2つ下の妻がいます。亜理紗という娘がいたのですが6歳の時に死亡しています。
福沢はなぜ立てこもっているのか?福沢の要求とは?
こういったところが、この小説のメインストーリー。遠野麻衣子は前作でも登場した戸井田とともに、福沢と交渉を開始します。
最後まで読んでみれば、少年法について考えさせられる、とっても深い小説でした。
世界的に見ると、日本の司法制度は甘い。
加害者に優しくできていて、被害者遺族からしたら納得のいかない軽い刑罰ばかりなのです。
大事な人を殺されたとなれば、誰だって犯人への怒りは相当なものになります。
でも、日本の司法制度では、加害者のその後の更生に重きを置いているところがあります。
特に未成年の場合は厳罰は望めない状況。
少年法はそんなふうにできているのです。
個人的には、少年法はもっと厳罰化してもいいと思っています。
10代特有の未熟さと残虐さ。
もっときつい罰を与えることで更生させる、というところがあってもいいと思うんですよね。
アカンことをする奴って、こっぴどく懲らしめないとなかなか伝わらないですよ。
塾で普段から小中学生を見ていますけど、道徳や礼儀に欠ける子って、自覚症状が無いし、ちょっと言ったくらいじゃ治らないです。
迷惑行為がどんなふうに迷惑なのかを説明したところで、なかなか伝わらないなあって毎年思っています。
かといって、こっちは怒鳴ったり殴ったりできません。
言い方を間違えると、親まで登場してブツブツ言われることもあります。まあ、その場合こっちは絶対に1歩も譲りませんけどね。
教育現場でのちょっとしたことでもカチンとくることがあるのに、殺人事件なんて起きたらもうどうなっちゃうの?!と思います。
てなことを考えながら、遠野麻衣子の交渉っぷりを見ていました。
遠野麻衣子は29歳。
作中では色気がゼロなのが特徴的。
犯人との交渉は論理的で、警視庁内の上司には遠慮がないタイプ。
一体どんな顔をしているのかな、と想像しながら読みましたが、全く浮かんでこない(笑)。
遠野麻衣子の男関連の情報もないんですよね。
今作ではとにかく籠城する犯人との交渉に専念していて、ほぼ徹夜だし、食事もしていません。
うーん、もし映像化されたら女優は誰がいいんだろ?悩ましい。
犯人の事情とか事件解決までの流れは、警察小説の王道とも言える分かりやすいストーリーでした。
まとめ
いかがでしたか?
今回は五十嵐貴久の小説『交渉人・遠野麻衣子 籠城』の読了記録でした。
旧作のリメイクということですが、本当に分かりやすくてサクッと読めるのが特徴です。
途中で気がついたのですが、改行が多いのがとても親切と思います。
海外のミステリー小説を読むと、まあ改行が少なくて、文字が多い!となりがち。英語の特徴なのかな。
しかも、たとえ表現やら風景の描写やら、不要と思えるところがなんか多いんです。
読書にハードルの高さを感じている人は、1度この小説のような本からスタートしたらいいんじゃないですかね。
読みやすいのは間違い無いですよ。
しかもストーリーがしっかりしてる。
欲を言えば遠野麻衣子にもう少し色気が欲しいかな。
それでは、また。