【読了記録】交渉人・遠野麻衣子 爆弾魔/五十嵐貴久
どうも、さっさです。
五十嵐貴久の小説『交渉人・遠野麻衣子 爆弾魔』を読みました。
ネタバレ無しで振り返ります。
青字をタップすると、Amazonの商品ページに行けます。
この小説はKindle版で購入し、Kindle Oasisで読みました。
あらすじと感想
都内で起きた爆弾テロの犯人は、遠野麻衣子に向けて更なるテロ予告と教祖釈放を要求。必死の交渉が続く中、爆破事件により東京は大混乱に陥る……。『交渉人・爆弾魔』を改題&大幅改稿した傑作警察小説!
Amazon商品ページより
前作『交渉人・遠野麻衣子』に引き続き、旧作をスマホの普及など令和版に構築し直したお話です。
前作では遠野麻衣子はどちらかというと脇役でした。交渉は遠野麻衣子の上司がしていて、彼女はたまに口を挟むだけでした。
今回はしっかり爆弾魔・シヴァとの交渉に臨みます。
またこのシヴァが印象的。爆弾魔に成り下がった経緯には、理解はできないけど共感はできる、という感じ。
犯人に関連するくだりは現実に起きた地下鉄サリン事件になぞらえた設定となっています。
まあ宗教の恐ろしさというか、当時オウム真理教のニュースでわいていた中学生の頃を思い出します。
仕掛けられた爆弾が爆発するのかしないのか、というハラハラ感は最後までしっかりあります。
遠野麻衣子にセクシー要素は全くありません。
でも最後まで読めます。
新しく学んだのは、爆弾の起爆装置解除は、よくある爆発寸前の赤か青のコード切断によるものではないということ。
液体窒素で爆発物そのものを凍結させてから、起爆装置を解除するのだそうです。
なんだ、そうだったのか。
映画「スピード」で見たバスの下の爆弾。
映画「名探偵コナン 時計じかけの摩天楼」で見た赤か青かの爆弾。
映画「交渉人 真下正義」で松重豊が手を焼いていた爆弾。
全部液体窒素で凍らせれば解除できたんじゃないか!今までのハラハラドキドキは何だったの?!ぷんぷん!
前作に続き、旧作を知らないで読み切りましたが、違和感は全くありませんでした。
ただ、爆弾ものは今まで色々見てきているので、抜群に面白いというわけではありませんでした。
「爆弾」そのものよりかは、爆弾による「人間模様」の方が僕には興味深い。
爆弾って爆発したら絶対助かりませんからね。
爆発させたい犯人の非情さとか、爆発を防ぎたい、愛する人を守りたい主人公とか、グッとくるものがありますよね。
その点で言えば、呉勝浩の小説『爆弾』がピカイチと思います。犯人の非情さがずば抜けています。この感じは東野圭吾の小説でも味わったことがありません。
まあ、爆弾は液体窒素で凍らせればいいと分かってしまったので、今後は爆弾ものの作品でコード切断の場面にヒヤヒヤすることはもうありませんね(汗)。
まとめ
いかがでしたか?
今回は五十嵐貴久の小説『交渉人・遠野麻衣子 爆弾魔』の読了記録でした。
五十嵐貴久の小説は、全体的にサクッと読めるのが特徴ですね。
作中では感情を揺さぶる要素が散りばめられていて、最後まで飽きずに読めます。
特にこの小説はシリーズ第2弾であるものの、前作を知らなくても読める親切設計。
たまには読書でも、という人には打ってつけの小説と思います。
読書が習慣になっている人でも、爆弾について他の作品と比較してみたり、刑事小説の中でも数少ない女交渉人に感情移入してみるのも一興と思います。
次の作品が出ているので、読んでまた感想を書きます。
それでは、また。