【読了記録】眠れる美女/秋吉理香子(再びバレエ団で不吉な事件。)
どうも、さっさです。
秋吉理香子の小説『眠れる美女』を読みました。
ネタバレ無しで振り返ります。
発行 2020年10月20日
読了 2022年8月8日
ちなみにこの小説は前作『ジゼル』の続編になります。
読んだきっかけ
『絶対正義』、『サイレンス』を読んで、秋吉ワールドに没入。
以来、秋吉作品を全部読む試みをしています。
これであと1冊となりました。
あらすじと感想
新設された東京スペリオール・バレエ団。旗揚げ公演『眠れる森の美女』を“バレエ界の至宝”シルヴィア・ミハイロワが演出することになるが、主役に決まった客演のユリカ・アサヒナは我が侭で、嫉妬と反感から人間関係は軋んでいく。そして、悪の精“カラボス”を名乗る人物から不気味な脅迫状が届き、不幸な連続殺人事件が起きる―。カラボストは何者なのか?花音は事件の真相を追う。嫉妬と愛憎渦巻くサスペンス。
「BOOK」データベースより
前作『ジゼル』でグチャグチャになったバレエ団で、再び不吉な事件が起こります。
今回グッときたのは、銀行マン野崎。
夢やロマンではスポンサーの獲得が難しく、バレエは続けられません。それを団員の気持ちに関係なくズバズバ言います。
池井戸作品の悪者みたいに腹が立ちます。
ですが、野崎が言ってることって、ある意味強烈な真実なんですよね。
利益が上がらないバレエ団なんかにスポンサーが付く訳がない。
団員の熱心さとのズレがあるところは、いろんな職場での経営者と従業員のやり取りに当てはまるのではないでしょうか?
発生する事件とその解決の流れは、特にグッときませんでした。
もう、いろんな小説の読み過ぎで、「誰が犯人で、どんな犯行方法で、なぜ殺人に至ったのか」という流れはどうでもよくなりつつあります(汗)。
今回は銀行マン野崎の冷徹さと、「頑張ってるんですよ!」という団員の摩擦が印象に残りました。自分の前の職場での状況と重なりましたね。
野崎は終盤でいい人になります。
それが微笑ましい。
まとめ
今回は秋吉理香子の小説『眠れる美女』の読了記録でした。
秋吉さんがバレエをやっていたかは分かりませんが、詳しい描写で引き込まれるものはありました。
でもミステリー小説の読み過ぎで、殺人事件を扱ったものが面白くない時期に入ってしまった感があります。
こういう時は、歴史かSFの出番。
実はこのキャンペーンで、司馬遼太郎を爆買いしました。
歴史上の人物の生き様は、確実に役に立ちます。
あと1冊の『哀愁シンデレラ』も読みつつ、歴史小説に突入しようと思います。
それでは、また。