【読了記録】聖母/秋吉理香子(母、強し。)
どうも、さっさです。
秋吉理香子の小説『聖母』を読みました。
ネタバレ無しで振り返ります。
発行 2018年9月13日
読了 2022年5月
読んだきっかけ
『絶対正義』、『サイレンス』と読んで、秋吉ワールドに没入。
以来、秋吉作品を全部読む計画を進めています。
あらすじと感想
郊外の町で、幼稚園児の遺体が発見された。被害者は死後に性的暴行を加えられていた。事件のニュースを見た主婦・保奈美は、大切なひとり娘は無事だろうか、と不安に陥る。警察は懸命に捜査を続けるが、犯人は一向に捕まらない。「この子を、娘を、守ってみせる。そのためなら何でもする」母がとった行動とは―。驚愕の長編サスペンス・ミステリー!
「BOOK」データベースより
保奈美の大切なひとり娘、薫。
実は、時間とお金をかけた不妊治療の末に、ようやく授かった子でした。
「大切な」という言葉の中には、相当な想いが込められています。
そんな親子が住む近隣で、薫と同じ年頃の幼稚園児が遺体で発見されます。
この時の犯人である、高校生の真琴。剣道部で、部活以外にもクラブで子供相手に教えています。
物語は保奈美と真琴のシーンが交互にやってきます。
次の犠牲者を物色する真琴。
自分の娘を守りたい保奈美。
聞き込みを続けて、犯人に近づいていく警察。
一見分かりやすい構図になっていますが、さすが秋吉理香子。
終盤では、ならではの展開が待っていて、この対決どうなるの?という単純な結末にはなりません。
読後には『聖母』というタイトルが、また違ったものに思えてきます。
最近、読後に表紙を眺めるようになりました。
タイトルの意味や、イラストの奥深さを堪能するのです。
この『聖母』も、最後まで読んでから本を閉じて眺めると、味わい深いんですよね。
見ているだけでハイボールが飲めます(笑)。
ちなみに、Amazonレビューの中には「辻褄が合わない」などと、冷めたものもあります。
でも、この手のトリックは他の小説にもあって、どの作品でも賛否両論。
小説だからできることですので、気にせず楽しんでほしいですね。
秋吉ファン、ミステリー好きなら読んで間違いない1冊。
僕は引き続き、秋吉理香子の作品制覇を続行します。
それでは、また。