【読書記録】クスノキの女神/東野圭吾(シリーズ第2弾)
どうも、さっさです。
東野圭吾の小説『クスノキの女神』を読みました。
ネタバレ無しで振り返ります。
あらすじと感想
神社に詩集を置かせてくれと頼んできた女子高生の佑紀奈には、玲斗だけが知る重大な秘密があった。
Amazon商品ページより
一方、認知症カフェで玲斗が出会った記憶障害のある少年・元哉は、佑紀奈の詩集を見てインスピレーションを感じる。
玲斗が二人を出会わせたところ瞬く間に意気投合し、思いがけないプランが立ち上がる。
不思議な力を持つクスノキと、その番人の元を訪れる人々が織りなす物語。
この小説を読む前に、未読であれば前作『クスノキの番人』を先に読むことをオススメします。これだけ読んでもダメです。
玲斗の伯母・千舟(ちふね)の体のことであったり、和菓子屋の息子・大場壮貴の再登場であったりというのが今作の特徴。これらは、前作を読んでこそ深まるものと思います。
クスノキの不思議な力というのは、新月の夜に念じたことがクスノキに入り(預念)、満月の夜に他人がその念を受け取ることができる(受念)というもの。
普段は言葉にしづらいことであったり、音楽や料理の味といった再現が難しいものを念として預け、他人が受け取ることができるというわけです。
前作では、この不思議な木に念じにやってくる人たちの人間模様と、玲斗(れいと)の番人としての成長が楽しめました。
今作ではクスノキのある場所が強盗事件に関係があるとして、鑑識の人たちが立ち入ります。
この事件の真相も気になりますが、今作の見どころは記憶障害の少年・針生元哉(はりゅうもとや)。
朝目が覚めると、前日の記憶がなくなってしまう難病を抱えています。
少しでも忘れないようにするために、「明日の僕へ」という日記を書き続けています。
玲斗とも何回か会いますが、会うたびに初対面のような感じになってしまいます。
女子高生の佑紀奈との出会いで思いがけないプランが立ち上がるのですが、これは読んでからのお楽しみ。
いやあ、それにしても今作は認知症のことを考えさせられます。
これ、恐ろしいのは年齢が関係ないということ。また、どこからが認知症なのかが分からないこと。
塾講師にもいますよ、生徒の名前がなかなか覚えられない人。打ち合わせ通りの授業ができない人。果たしてこれが認知症なのかどうか。
あと僕の場合だと、10年以上前の塾生を全員思い出せるか、ということ。難しいですね。1回きりのイベント授業なんかも入れると、累計で2000人以上は教えていますからね。
小中学生の場合だと、例えば1ヶ月前の給食のメニューなんて思い出せませんよね。でもこれって、認知症とは言わないイメージじゃないですか。
勉強も一緒で、先週やった内容を忘れてしまう生徒なんてゴロゴロいます。でもこれって、認知症なわけないですよね。そう信じたい。
でも、例えば家族に対して「あなた誰?」ってなったら間違いなく認知症ですよね。その間、境界線が知りたい。
まあ、そんなことをね、元哉を見ていると考えさせられます。
東野圭吾の不思議系の小説というと『ナミヤ雑貨店の奇蹟』とか『時生』、『秘密』が浮かびます。僕的には『パラドックス13』も入れていいかな。
どれも名作で大泣きでした。
でも今作の読後はただただ悲しい。
ハッピーエンドっぽい描写なんですが、僕には悲しかった。
まとめ
いかがでしたか?
今回は東野圭吾の小説『クスノキの女神』の読書記録でした。
このシリーズ、もう少し続いてほしいな。念じる人にもまだバリエーションがありそうだし、時がたって玲斗の後継者の話でも面白いと思う。
未読の人は前作と合わせてぜひ。
それでは、また。
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