【読書記録】渡された場面/松本清張(事件の手がかりは盗作小説?!)
どうも、さっさです。
松本清張の小説『渡された場面』を読みました。
ネタバレ無しの読書記録です。
読んだきっかけ
夕方のBSドラマでやっていて、原作小説も読みたいと思いました。
調べたら3回ドラマ化されていて、僕が見たのは3つ目の2005年版。三浦友和や佐野史郎、高岡早紀らによるものでした。
かまいたちの濱家さんが高岡早紀の大ファンだと公言していますが、その気持ちがよく分かります。作中の高岡早紀、めちゃくちゃかわいいです。
あらすじと感想
四国A県の県警捜査一課長・香春(かわら)銀作は、文芸雑誌の同人誌評に引用された小説の一場面に目をとめた。九州・博多在住の下坂一夫が書いたというその描写は、香春が担当している“未亡人強盗強姦殺人事件”の被害者宅付近の様子と酷似しすぎていたのだ。再捜査により、九州の旅館女中の失踪事件と結びついたとき、予期せぬ真相が浮び上がる――。
Amazon商品ページより
中央文壇志向の青年の盗作した小説が鍵となる推理長編。
これは面白かった。
舞台は九州と博多を行ったり来たり。
佐野史郎が演じた下坂一夫は売れない文学青年で、2股生活をしています。旅館の女中で高岡早紀が演じる人と、博多のホステス。どっちも美人で、なんだこの野郎、と思ってしまいます。
下坂はひょんなことから風景描写が見事な小説原稿6枚を入手。それが文芸雑誌で高評価され、少しだけ名が知られるようになります。
その小説が、四国で起きた未亡人強盗強姦殺人事件の重要な鍵を握っているのです。
三浦友和が演じた県警捜査一課長の香春は文学雑誌を購読中。こんな刑事本当にいるのかな。ドラマでは自宅本棚に『文學界』的な分厚い雑誌がぎっしり。これもひょんなことから、小説の風景描写が四国の殺人事件と結びついていることを発見します。
目撃証言から容疑者はすでに捕まっているのですが、取り調べで容疑を完全には認めていません。
強姦はしたが殺してはいない、と言うんですね。よく調べてみると、目撃証言にピッタリ一致しない事柄も出始めます。
じゃあ、実は犯人がもう1人いて同じ晩にたまたま同じ家に忍び込んだのか、ということなのか?
下坂のモテモテ生活も注目で、印象的。いいなーと思いながら読んでしまいました。だって、高岡早紀と美人ホステスの2人と付き合っているんですから。実家は陶器店を営んでおり、作家として売れなくても、ゆくゆくは店を継げばいい状況です。
ドラマでは下坂(佐野史郎)が初代ゴルフに乗って高岡早紀を迎えにいくシーンが何度かありました。しかも用心のために、助手席ではなく後部座席に高岡早紀を乗せる徹底ぶり。
まあ、この後三角関係にありがちなトラブルが発生するわけですが、このくだりも見どころですね。
まとめ
いかがでしたか?
今回は松本清張の小説『渡された場面』の読書記録でした。
もう何年も小説を読み続けていますが、松本清張のはいつも独特で印象的。権力や愛憎に絡む人間模様の描写が本当にお見事。
通常、刑事ドラマや小説って、捜査会議を利用して読者と一緒に状況整理するものが多いんですよね。ドラマ「相棒」でも特命係の部屋でホワイトボードを使ってやってますよね。
でも松本清張が描くのは、刑事自身の思考。ああでもない、こうでもない、と考えをめぐらす様子にグッと引き込まれるんです。
昭和の話が多いので電報や汽車がしょっちゅう出てきますが、令和になっても全然読めます。
しかもKindle版でたった¥544。コスパ良すぎです。
松本清張はいつか全制覇したいですね。
それでは、また。
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