共犯者/松本清張 大まかなあらすじと感想(人の描き方が鮮やか)
どうも、さっさです。
今回は松本清張の小説「共犯者」読了記録。
お金や男女関係が人を死に至らせる場面を描いた10の短編集です。
共犯者
銀行を襲い、仲間と山わけにした金で商売をはじめた内堀彦介は、事業に成功した今、真相露顕の恐怖から5年前に別れた共犯者の監視を開始するが…。
「BOOK」データベースより
恐喝者
筑後川の氾濫をきっかけに刑務所から脱走した尾村凌太。途中で女と出会い、人工呼吸をして助けます。後日、ダムの工事場で働き出した尾村凌太。そこに現れたのは、洪水の時に人工呼吸をして助けた、あの時の女でした…
愛と空白の共謀
夫が京都の旅館で急死。葬儀を手伝ってくれた夫と同じ会社の人と新たに関係を持ちますが…
発作
田杉は入院中の妻のために毎月送金していました。しかし、妻への愛情はもう無く、黒木ふじ子という愛人を過ごすのを楽しみにしていました。
青春の彷徨
父親に交際を認めてもらえないカップルのお話。認めてもらえないなら一緒に投身自殺をしようと、阿蘇山に向かいます。
点
伊村は4年ぶりに九州のK市に帰りました。ですがが家がないので旅館に泊まり続けます。旅館に笠岡重輔という心当たりのない人物の手紙を、9歳くらいの女子が持ってきました。
伊村は脚本を書いています。K市に来たことが新聞の消息欄に小さく出たのを笠岡は見つけました。そして自分の書いた暴露原稿を買い取ってほしいと、金の工面を頼んできた。
潜在光景
男は帰宅途中のバスの中で小磯泰子と20年ぶりに再会しました。康子の旦那はなくなっていて、健一という6歳の子供がいました。男にとってはこれから会社と家とを単調に往復する退屈さから救われる、小さな刺激になりそうでした。
剥製
新聞社の出版局にいる芦田。小学生や中学生向きの雑誌の編集部に属していました。次長から鳥寄せの名人・塚原太一を取材して、子供向きの読み物記事にしてくれないかと頼まれた。
ところが塚原太一がいくら鳴けども、鳥は寄ってきませんでした。すると塚原は、鞄から動かない鳥をいくつも取り出して、撮影用に並べたのです。
典雅な姉弟
田園調布の高台。豪華な家並み。決まって人目につく特徴のある男がいました。50近くの生駒才次郎。20年も住んでいるが、近所の人にはいまだに勤め先がどこかはっきり分からない。同じ家に60ばかりの上品な老婆がいる。弟と同様に若い時はどんなにきれいだったかと思う。
距離の女囚
女の囚人が、かつて愛した男・藤川英夫に手紙を書いています。藤川は仕事よりも考古学に夢中で、女もそんな藤川を愛していました。結婚寸前まで行きますが、女の父親に籍を入れるのを反対されていたのでした。
まとめ
いかがでしたか。
短編は把握するのに時間がかかりますが、入り込んでしまったら面白いです。
入り込んでしまっているので、読み終わると「もう終わってしまったのか」と悲しい気持ちにすらなります。
オススメは「剥製」です。これから40代を迎える自分への警鐘として受け取りました。無能なベテランには絶対なりたくないですね。がんばろ。
それでは、また。