【読了記録】影の車/松本清張(不倫の先には)
どうも、さっさです。
松本清張の小説『影の車』を読みました。
ネタバレ無しで振り返ります。
読んだきっかけ
BSでドラマの再放送がやっていたので、原作小説も読んでみることにしました。
松本清張は制覇したい作家なのですが、小説が多すぎてどれから手をつけたものやら、という感じ。ドラマはいいきっかけになります。
毎日夕方に放送されているミステリードラマをチェックしていまして、たまにこうして松本清張に当たることがあります。
あらすじと感想
仮眠から目覚めると、私の横に健一がいた。その手に出刃庖丁が握られている。私は危うく声を上げかけた。……夫を亡くし保険の集金人をする小磯泰子と二十年振りで出会った私は、妻の眼を盗んで家に出入りし、密かな逢瀬を楽しむようになった。が、その一人息子で6歳の健一は何故か私に親しまず、その異常な挙動に私は自分への殺意を感じた。少年の殺意。――私にはそれを否定し切れぬ過去があった。「潜在光景」ほか「典雅な姉弟」「万葉翡翠」「鉢植えを買う女」「薄化粧の男」「確証」「田舎医師」を併載。眼に見えぬ運命の糸に操られ、破滅へと導かれる男女を描く連作推理集。
Amazon商品ページより
ドラマ化されたのは「潜在光景」。
私(風間杜夫)が20年ぶりに会った小磯泰子(原田美枝子)と不倫関係に。泰子の息子・健一(6歳)とはなかなかなじめずに、健一からの殺意を感じるようになってしまいます。
ドラマの再現度が素晴らしい。不倫を楽しむ中年男には風間杜夫がピッタリだし、夫を亡くし6歳の息子と過ごす妻には原田美枝子がピッタリ。
調べたら、原田美枝子はこのドラマでギャラクシー賞を受賞しています。そりゃそうだ。めちゃくちゃキレイだもん。
健一と過ごすうちに自分の過去を少しずつ思い出していく私。その結末は他のどの小説にもないものでした。
「鉢植えを買う女」も印象的。
ある女が男をたらし込んで完全犯罪を成し遂げる話なのですが、犯人の逃げ切る感じは独特の読後感があります。
「薄化粧の男」もいい。不倫の結末、まさかの犯人です。
「確証」もいい。これも不倫の話なのですが、結末には喪失感があります。
いやあ、松本清張の小説はどれも面白い。
「金、権力、恋愛」をうまく調節して、事件や人間心理の描写を見事にやっています。
スマホもないし、遠方には汽車での長時間移動です。令和ではあり得ないのですが、面白い。
まとめ
いかがでしたか?
今回は松本清張の小説『影の車』の読了記録でした。
短編集なので、ふわっとした感想しか書けないのが辛い(汗)。
ミステリー好きで未読の人にはきっとハマります。オススメです。
それでは、また。
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