【読了記録】時生/東野圭吾
どうも、さっさです。
東野圭吾の小説『時生』を読みました。
ネタバレ無しで振り返ります。
あらすじと感想
不治の病を患う息子に最期のときが訪れつつあるとき、宮本拓実は妻に、20年以上前に出会った少年との想い出を語りはじめる。どうしようもない若者だった拓実は、「トキオ」と名乗る少年と共に、謎を残して消えた恋人・千鶴の行方を追った――。過去、現在、未来が交錯するベストセラー作家の集大成作品。
Amazon商品ページより
これはすごい。泣きました。
息子の時生を亡くした父親・宮本拓実が、かつて時生と会っていた、という不思議なお話。
東野圭吾のこういう不思議系の話はいくつかあって、『ナミヤ雑貨店の奇蹟』、『クスノキの番人』、『秘密』、『パラドックス13』もオススメ。僕は全部泣きました。
さて、約束の場所である花やしきで再会した拓実と時生。拓実にとっては初対面。時生は最初から、自分は未来から来たあなたの息子、といったことをほのめかしているものの、拓実には全く信じられません。
当時の拓実は時生の母親ではない女性・千鶴と付き合っています。
拓実は気性が荒くて、仕事を転々。
千鶴がくれた新しい会社の面接のチャンスも棒に振ってしまいます。
痺れを切らした千鶴は自宅から姿を消します。
諦めきれない拓実は時生と一緒に千鶴探しを始めます。
千鶴が見つかるまでにかなりのページ数があります。
拓実と千鶴は結婚しないし、この2人から時生は生まれないはずなのですが、なんだかそうなってもおかしくないくらいのボリュームと深さがあります。
「おいおい、どうなっちゃうの?」と気になり過ぎて、ページをめくる手のやめ時が分からない(笑)。すぐには読めない分厚さなのに。
千鶴とのことが決着した後、拓実の奥さんになる麗子とのくだりがようやくやってきます。
ここまでくると、拓実がいかにダメ人間かが分かっているので、麗子とのやりとりはいちいち応援したくなります。
時生が最後にどうなるのかというのは読んでからのお楽しみ。
僕には息子がいるので、さらに感情移入ができました。若い世代の読者でも時生の目線で読んで、自分の親への気持ちを再確認できるんじゃないでしょうか。
それにしても残念なのは、この小説が映画化されていないこと。
おそらく終盤に発生する大事件が原因と僕は予想します。
アニメ「名探偵コナン」では、ガス会社がスポンサーということで、ガス爆発のシーンがない、とコナン好きな塾生から聞いたことがあります。確かに、ガスが危ないというイメージがついてしまいますからね。映画ではあるみたいですけど。
まあ、映画化されないおかげで小説の価値が保てる、というところはありますけどね。映画が小説と違ってがっかりってなるくらいなら、このままでもいいかな。
まとめ
いかがでしたか?
今回は東野圭吾の小説『時生』の読了記録でした。
久しぶりに読後の余韻がすごい小説に出会いました。
この小説はブログをやり始める前に読んでいて、時生がどうなってしまうのかだけは覚えていたのですが、あとは忘れていました。数年ぶりに読んでやっぱり泣けましたね。
家族をはじめとした人間関係とか自分自身のこと。もっと大事にしないとな、と思わされます。
いつか東野圭吾の小説ランキングなんてこのブログでやりたいと思ってたまに考えてみるものの、まあまとまりません。『時生』は間違いなく名作ですけどね。
それでは、また。
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