希望の糸/東野圭吾(ボロ泣きの名作。「家族」って大事)
どうも、さっさです。
東野圭吾の小説『希望の糸』を読みました。
ネタバレ無しで振り返ります。
単行本発行 2019年7月5日。
読了 2022年5月7日。
文庫本発行 2022年7月15日
読了 2022年8月24日
人気の加賀シリーズ11作目です。
読んだきっかけ
東野圭吾にどハマりして、東野作品を全部読む計画を進めていました。
ついに100冊中100冊目となりました。
小説以外にエッセーも絵本もありますが、全て読みました。
今後もし東野さんに会えたら、「全部読みました。これから出る本も全部読みます」と言いたいです。
あらすじと感想
「死んだ人のことなんか知らない。
あたしは、誰かの代わりに生まれてきたんじゃない」
ある殺人事件で絡み合う、容疑者そして若き刑事の苦悩。
どうしたら、本当の家族になれるのだろうか。閑静な住宅街で小さな喫茶店を営む女性が殺された。
Amazonの商品ページより
捜査線上に浮上した常連客だったひとりの男性。
災害で二人の子供を失った彼は、深い悩みを抱えていた。
容疑者たちの複雑な運命に、若き刑事が挑む。
77歳の芳原真次。肺がんの末期で、もう長くありません。
娘・亜矢子は弁護士の脇坂と共に遺言書を読むことになります。
そこに書かれていた財産贈与に関する内容の最後に、なぜか松宮脩平の名前があったのです。
石川県金沢市。亜矢子は「たつ芳」という旅館の女将。真次は料理長をしていました。
亜矢子には松宮が誰かわかりません。
誰だか分からない人が遺産を相続するように書かれているのはなぜか?
真次本人に疑問を確認するわけにはいかない亜矢子は、何とかして松宮と連絡を取ろうとします。
一方、警視庁捜査一課の松宮は、東京でカフェを経営している花塚弥生が殺害された事件の捜査をしていました。
加賀は日本橋警察署から戻ってきており、松宮と一緒に捜査を担当しています。
捜査を進めていくうちに、花塚弥生の元夫やその同居女性、さらに新潟を襲った地震で子供2人を亡くした夫婦も関係してきます。
全てが明らかになった時、「希望の糸」が見えてくるのです。
子供を持つ親にとって、この本は傑作。
娘に対して父親が苦悩する場面がありますが、同じく娘がいる僕としては心境が痛いほどよく分かりました。
今回は事件の解決と共に、松宮の過去のことも分かります。もはや過去の映画の印象が強すぎて、松宮は溝端淳平にしか思えません。もちろん加賀は阿部寛です。この作品では脇役ですが、十分濃いです(笑)。
「希望の糸」が見えてくるまでの流れは、なかなか複雑。重たい雰囲気にこちらもヤキモキさせられます。もし映画化されたら、楽しみな作品です。
文庫本を読み終えて(2022年8月加筆)
泣きました。
僕には小4の娘と1歳の息子がいます。この本を読んで、ボロボロ泣いて、より大切にしようと思いました。
どんなことがあっても、家族というのは大事なもの。それを再確認できる名作です。
半分くらい読んだところで、真相を思い出してしまいました。
でも、最後までしっかり読みました。
この本の単行本以来、3ヶ月ぶりに東野作品を読みましたが、やっぱり文体や話の流れがピカイチ。
他の話題作や賞関連の小説も読んでいます。
それなりに面白いのですが、東野作品に戻ってくると、やっぱり格が違うと感じられます。
それでは、また。