【読了記録】天空の蜂/東野圭吾
どうも、さっさです。
東野圭吾の小説『天空の蜂』を読みました。
ネタバレ無しで振り返ります。
もう何年も前に読んだのですが、このブログを始める前でした。
今回改めて読んでみました。初回と変わらないドキドキ感でした。
あらすじと感想
奪取された超大型特殊ヘリコプターには爆薬が満載されていた。無人操縦でホバリングしているのは、稼働中の原子力発電所の真上。日本国民すべてを人質にしたテロリストの脅迫に対し、政府が下した非情の決断とは。そしてヘリの燃料が尽きるとき……。驚愕のクライシス、圧倒的な緊追感で魅了する傑作サスペンス。
Amazon商品ページより
原発の真上にヘリ。
たったこれだけの状況で、いかにピンチかが分かりますよね。
誰が?
一体なんのために?
しかも、ヘリには関係者の息子が誤って乗ってしまっていて、その子の救出もしなければなりません。
舞台は愛知県小牧市からスタートして、福井県、滋賀県長浜市、岐阜県岐阜市も登場します。
愛知県一宮市民の僕にとっては、土地勘があって分かりやすい展開でした。
もうすぐ文庫化される『白鳥とコウモリ』でも愛知県常滑市や安城市が出てきていました。東野さんは東海地方に土地勘があるんですかね。
まあ、東野さんは元デンソー社員ですからね。もしかしたらトヨタ自動車絡みでちょこちょこ来ていたのかもしれません。
さて、この小説は622ページもあり、読む前は身構えてしまう人がいるかもしれません。
でもその多くの部分は、原発の設備やヘリのメカニズムの説明です。
まあ、どうせ読んだ後は忘れるのですから、そういう技術的なところはサーっと流してしまえばいいと思います。
それら以外のところは、人間心理の見事な描写で、いっときも目が離せないですよ。
犯人側にもやむを得ない事情があり、政府の冷たさとか原発の恐ろしさが分かります。
原発の恐ろしさというのは、原発の存在をよしとするかどうかで意見が分かれる人間たちの恐ろしさも含みます。
今作では、ここがかなり考えさせられるところとなるでしょう。
「日本の自動販売機の合計電力は、原子力発電所2つ分に相当する」
僕が大学生の時に講義で聞いたことです。
原発はあれば人々の役に立つもの。でも、チェルノブイリのように危険が伴うことも事実。
そんな警鐘を東野さんは小説として、1995年の時点で出版している。
この小説がすごいのは、そんな時代の先見性。
1995年の時点で誰が2011年の福島第一原発のことを考えていたか。
と、ただのテロ解決小説にとどまらない思考が生まれます。
犯人側の事情は本当に辛いものがあります。また何年かしたら再読したいくらい。
まとめ
いかがでしたか?
今回は東野圭吾の小説『天空の蜂』の読了記録でした。
名作すぎるから映像化されていると思って調べたら、やっぱりありました。
江口洋介が主演なんですね。
これも見よう。
それでは、また。
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