【読了記録】熱欲 刑事・鳴沢了/堂場瞬一(詐欺事件に挑む)
どうも、さっさです。
堂場瞬一の小説『熱欲 刑事・鳴沢了』を読みました。
ネタバレ無しで振り返ります。
あらすじと感想
これはただの詐欺事件ではない、殺人事件だ――。
Amazon商品ページより
青山署の生活安全課へと異動した鳴沢了は、「K社」の符号で呼ばれる出資詐欺グループを追う。事件は被害者の自殺、関係者の変死へとつながり、背後には中国系マフィアの存在が浮かび上がる。捜査が困難を窮める中、かつての友で、NY市警刑事である内藤七海が了に力を貸す。
シリーズ3作目となる今作で鳴沢了は、青山署の生活安全課に所属して詐欺事件を追いかけます。
K社の尻尾がなかなかつかめない了。捜査が空振りに終わる場面が多く、歯がゆい状況です。
前作では冴という女性とすったもんだありましたが、今回は内藤七海の妹である優美とくっつくんかいくっつかんのかいがあります。
やっぱり警察小説はこういう女性で尺が持つところがありますので、捜査の行方とは別で楽しめました。
中国系マフィアの幹部トミー・ワンという人物が、なかなか手強く描かれます。
この辺りは大沢在昌の小説『新宿鮫』シリーズと同じにおいがしてワクワク。
NY市警の内藤七海。
パッと見、女性っぽいですが、ガタイのいいあんちゃんです。かなり実力のある野球選手だったのですが、膝を壊してしまったのだそうです。
今作では了との濃い絡みは見られませんでしたが、次作以降で重要な役割を持ちそうな感じがします。
了と食事のシーンでラフロイグというウイスキーを飲む内藤。
「こんな上等な酒は久しぶりだ」
と、カレーライスの後なんて細かいことを気にせず飲む内藤。
Amazonで見てみたら確かに高価。気になったらタップしてみてください↑
ページ数の大半は詐欺事件を追う了の視点で描かれます。
印象的なのは詐欺事件の悪質さ。
うまい投資の話なんてあるわけがない、と分かっていてもつい乗っかってしまう人々を小説の中で見ているだけで胸が痛みます。
詐欺会社の社員はノルマを達成するために、何人もの客をだまします。
騙された方は手遅れになった時に、初めてだまされたと気がつくのです。
僕も振り返ると、知らない人が何人もピンポンで来て、やれソーラー発電だの外壁塗装だの不要不急の営業をいくつも受けてきました。
全部が不要だったかというと難しいですが、今思えば買わなければよかったものもあります。
みなさん、知らない人が寄ってくる時は必ず何かを買わされますから、注意してくださいね。
僕的にはソーラー発電が要らなかったですね。
30年以上経たないとプラスにならないので、何歳まで生きればいいんだ、と思ってしまいます。
老後にささやかな収入があることよりも、若いうちにしたいこと・ほしいものにお金を使った方が、僕は幸せと思います。
このくだりは、今売れている本『DIE WITH ZERO』にも書いてあります。よかったら読んでみてください。
まとめ
いかがでしたか?
今回は堂場瞬一の小説『熱欲 刑事・鳴沢了』の読了記録でした。
詐欺事件の悲惨さと、了の女性関係、内藤や中国系マフィアの登場。
こんなところが今作の特徴です。
内藤とトミー・ワンはいずれも魅力的なキャラで、次作以降で本当に登場してほしいですね。
それでは、また。
堂場瞬一の小説『熱欲 刑事・鳴沢了』をAmazonで購入する