【読了記録】帰郷/堂場瞬一(了、再び新潟へ)
どうも、さっさです。
堂場瞬一の小説『帰郷』を読みました。
ネタバレ無しで振り返ります。
あらすじと感想
新潟県警捜査一課長だった父が死んだ。葬儀の翌日、一人の男が了を訪ねてくる。殺人事件の被害者遺族である彼の目的は、父が遺した唯一の未解決事件の再捜査であった。遺品の備忘録に綴られた捜査への執念、犯人と名指しされた男の存在、そして謎の記号―。「捜一の鬼」と呼ばれた父を超えるため、了は再び故郷を駆ける。
「BOOK」データベースより
シリーズ5作目。
父の遺品整理のために新潟に帰った鳴沢了が、父の唯一の未解決事件に挑むことになります。
東京の警視庁に属している了。私立探偵のような感じでの再捜査。
新潟県警からの妨害に遭いながらも、解決に向かう過程は目が離せないのはもちろんのこと。
今作の重要なポイントは、了と父の関係。
父は了に警察官になることを勧めませんでした。ぶっきらぼうなところがあり、了は父のことを嫌っていたのです。
物語の結末で、了はそれが親の愛情故のことだったと気づきます。
このくだりを見ていると、僕も自分の父のことを思い出します。
2006年5月に癌で亡くなりました。54歳でした。珍しくなんだか体調が悪いと言って入院。それからわずか1ヶ月後のことでした。
当時の僕は新卒1年目。大手学習塾でイロハを覚えている最中でした。
父は仕事ばかりであまり構ってもらった覚えがありません。でも、父の職場に何回か連れて行かれてウロウロしたこと、誕生日でもクリスマスでもないのに欲しいものを買ってもらえたことなんかは覚えています。
そんなことが、この本を読んでいると思い出されました。
もう亡くなっているから何か知りたくても確かめられない、というのがもどかしい。でも確かめられないからいい、ということもきっとありますよね。
さて、以前から了と関係が続いている優美と勇樹にも新展開。
優美の知り合いから、勇樹にアメリカのドラマの子役オーディションの誘いがあるのです。
行かせるのか、腹を決めて優美にプロポーズするのか。
事件を追いながらこんなことを悩むシーンも。うーん、複雑。
新潟県ならではのことも出てきます。
食べ物だとイタリアンとかへぎそば。
あと車はスバルが人気であることも。なるほど、と思いました。スバルはもともと4WDの車が多いですからね。きっと雪国の強い味方なのだと思います。
新潟出身の妻に聞いたら、ラジオでやたらスバルのCMが流れていたのは覚えていると言っていました。
「おめさん」「だっけ」「〜ろ?」といった新潟弁も出てきます。
まとめ
いかがでしたか?
今回は堂場瞬一の小説『帰郷』の読了記録でした。
このシリーズは全部で11冊あって、5冊目まで来ました。
今作では新潟県警に恥をかかせる形になってしまった了。次作ではどんな展開が待っているのか。楽しみです。
それでは、また。
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