【読書記録】血烙／堂場瞬一（鳴沢、アメリカへ）
さっさ
さっさブログ
【読了記録】破弾 刑事・鳴沢了／堂場瞬一（新潟から東京へ）
さっさ
どうも、さっさです。
堂場瞬一の小説『破弾 刑事・鳴沢了』（中公文庫）を読みました。
ネタバレ無しで振り返ります。
青字をタップすると、Amazonの商品ページに行けます。
スポンサーリンク
読んだきっかけ
「鳴沢了」シリーズの前は大沢在昌の「新宿鮫」シリーズを読み終えたところでした。
鮫島みたいにどこか翳（かげ）のある刑事が事件解決に向けて淡々と進む感じが好きで、似たような小説を探しているうちに「鳴沢了」シリーズにたどり着きました。
『破弾』はシリーズ2作目。
1作目は『雪虫』という作品なんですが、これがまた個人的に会心の一撃でした。
新潟県が舞台の警察小説なんですが、僕の妻が新潟県民でして。
盆と正月の帰省に何年も付き合ううちに、僕にも多少の新潟の土地勘や文化の理解が出てきました。そういうことも手伝って『雪虫』は面白かったです。
ということで、このシリーズも全部読むことにしました。
あらすじと感想
俺はまだ、死んでいない―故郷を去り、警視庁多摩署で現場に戻った了は、署内で冷遇を受ける女性刑事・小野寺冴と組むことに。厄介払いとして押しつけられたホームレス傷害事件に腐る二人だが、周囲にはなぜか公安の影が。心に傷を抱えた二人の刑事が今、最高のコンビとして立ち上がる。シリーズ第二弾。
「BOOK」データベースより
新潟から東京に出てきた了。
ホームレス傷害事件現場で、この後行動を共にする小野寺冴と出逢います。
2人共ものをはっきりいうタイプで、ああだこうだ言い合いながら捜査を進めます。
公安が絡むということは、テロとか違法な物を扱うヤクザや宗教団体などが出てくるということ。
だから話のスケールが大きくなりがち。時には大物政治家が絡んでくることもあったりして目が離せません。
でも読んでいてどうしても気になってしまうのは、了と冴の関係。
了はランニングを欠かしたことがなく、スリム。真面目。
冴は学生時代にモデルをやっていた美人。胸もある。（そんな女性がなぜ警視庁にいるのかは読んでからのお楽しみ）
こんな2人がパートナーとなって、時には長い時間一緒に張り込みなんてしていたら、恋愛感情が生まれないわけがない。
作中では、了が冴をだんだん女として見るようになる心情がちょいちょい描かれます。男目線だと「よく分かるわあ」という感じです。
了になりきって読んだらめちゃくちゃ面白かったですね。
捜査も忙しいし、冴がだんだん可愛くなってくるし（汗）。
「早くくっつかないかなあ」
なんてそっちも楽しみにして読みました。（この2人がどうなったかは読んでからのお楽しみ）
他にも了が警視庁内で上司に噛み付く感じとか、学生時代のラグビー部の先輩・沢口とのやり取りから再びラグビーの試合に出る場面もあったりしましたが、余分という印象はありませんでした。
むしろ了の内面に迫る重要なものと思いましたね。
なにしろ、了自身が自分の気持ちを言語化できていません。
これがこのシリーズの面白さの1つと思いますが、読んでいてこちらも焦ったいというか歯がゆいというか。
刑事としての自分にクヨクヨする感じは、仕事に悩むのに似て誰もがあるとして、問題は冴に対する気持ち。「自分にはよく分からない」とか「結論は出せない」的なことばっかり言うんです。
まるで答えを出さないことが答えのような人なんですが、こんなスーパーヒーローよりも一般人に近い感じが了の魅力。
派手なアクションシーンも無いし、切れる頭で名推理なんてこともありません。冴に対する言動も決して上手くない。
とにかく睡眠不足を抱えながら、地道に捜査を続ける感じ。
こんな了になりきって読むと、580ページなんてあっという間でした。
あ、結末はビックリ仰天ですよ。
まとめ
いかがでしたか？
今回は堂場瞬一の小説『破弾 刑事・鳴沢了』（中公文庫）の読了記録でした。
了が次にどんな事件とどんな自分に向き合うのか、というのも楽しみですが、冴との関係はどうなるんだろう？というのも気がかり。
映画「スピード」みたいに次作ではあっさり別れているのか。
このままパートナーとして何作か続けてもよさそうですけどね。
個人的には続けてほしい。了と冴の距離感、仕事と恋愛を行ったり来たりする感じは今の僕には面白くて、なんならずっと読んでいたい。
それでは、また。
スポンサーリンク
ABOUT ME
1982年生まれ。愛知県一宮市の塾講師。読書量は年間100冊以上。勉強のやり方、自己啓発や心理学、ビジネスや哲学関連は読み尽くし、現在は小説が中心。読了記録を書き残しています。参考になればうれしいです。
