【読了記録】夏の雷音/堂場瞬一(1億2000万円のギターが盗まれました)
どうも、さっさです。
堂場瞬一の小説『夏の雷音』を読みました。
ネタバレ無しで振り返ります。
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あらすじと感想
本の街、アウトドアの街、楽器の街…。いくつもの顔を持つ東京・神保町を震撼させる惨殺事件が発生した。地元に生まれ育った法学部准教授の吾妻は被害者が高校の後輩であることを知る。楽器店のオーナーだった後輩の店からは一億二千万円の超高級ギターがなくなっていた。調べていくうちに吾妻はヴィンテージギター業界の内情、オークションの世界のからくりを知る。犯人を追跡する彼をことごとく妨害するのは旧知の地元署の刑事。そして浮かび上がってきたのは狂乱の地上げ時代の亡霊たちだった…。堂場瞬一渾身の社会派ミステリー。神保町の名店も多数登場。
「BOOK」データベースより
大学の准教授である吾妻が、後輩のためにギター探しに奮闘するお話です。
特徴的なのは、神保町の様子が古書店、楽器屋、飲食店を通じてよく分かること。
古書店が集まる場所があるらしく、現実世界でもそうならぜひ1度行ってみたい。
吾妻がいろいろ尋ね回っては、空振りだったり手がかりを少し手に入れたりしながら進んでいきます。
主人公が刑事の場合、捜査会議のシーンでそれまでの状況整理がされるのが常ですが、この小説では主人公が大学教授のため、知り合いと飲食店で食事をしながらの状況整理となります。
またこういうシーンで出てくる料理がめちゃくちゃうまそうなんですよね。
冒頭に出てくるカツカレーなんか、最高ですよ。今度CoCo壱で頼もうかな。
下町のゆるいシーンのおかげか、高級ギターが盗まれ、死者も出ているのですが、そこまで重たい感じはありませんでした。
神保町付近に土地鑑があったり、洋楽好きでギター好きだったりするなら、間違いなくハマる小説と思います。
それにしても楽器というのは不思議ですね。
どうしてギターが何百万円もするのか。
僕は高級品には冷めている方。松茸やダイヤモンドが高いのは希少だからというだけ、ってなもんでして、高級品にはあまりときめかないのであります。
作中に出てくるギターも同じ論理で、希少な材質で手間暇をかけて作られているからとか、あと有名アーティストが演奏したから、という理由で高くなっているようです。
この辺りはふーん、という感じ。
中山七里の小説でも音楽に関するものがいくつかありますが、僕にはダメですね。何も思わない。
音楽自体は好きですよ。よく車の中で1人カラオケ大会しますし、太鼓の達人などのリズムゲームも大好き。最新のJ-POPもしっかり追いかけています。
でも小説になると、魅力がそこまで伝わってこないんですよね。なんでだろう。文字の限界なのか、僕の感覚が欠けているのか(汗)。
事件の真相は特に驚くべき、ということはありませんでした。
この小説は神保町あたりでの人情劇を楽しむものと思います。
古書店や飲食店のくだりは本当に魅力的でした。
まとめ
いかがでしたか?
今回は堂場瞬一の小説『夏の雷音』の読了記録でした。
タイトルの「夏の雷音」がどこでどう繋がるのかと思いながら読みましたが、今回は味わい深いという感じはしませんでした。
読み終えて、本を閉じて表紙を見ると感慨深くてちょっとの間眺めてしまうことがありますが、この小説はそういうことはなかったです。
それでは、また。