【読了記録】暗転/堂場瞬一(列車事故からの云々)
どうも、さっさです。
堂場瞬一の小説『暗転』を読みました。
ネタバレ無しで振り返ります。
青字をタップすると、Amazonの商品ページに行けます。
読んだきっかけ
Amazonで小説の新刊を検索してたどり着きました。
ストーリーが面白そうだったので即ポチしました。
でも実は文庫化はとっくにされていて、今回は新装版ということでした。(そういう新刊は今後除外したいな。これからはよく見て買おう。)
警察小説は元々好きなのですが、堂場瞬一の小説は実は初めて。
調べたら警察小説をたくさん書いているんですね。知らなかったー。
また小説全制覇候補の作家を見つけたような気がします。
あらすじと感想
満員の通勤電車が脱線し、死者80名超の大惨事が発生した。自分の下敷きとなった女性の死に打ちのめされた雑誌記者の辰巳は、真相を求めてペンを握る。一方、鉄道会社側もさまざまな手段を講じ始め……。それぞれの正義が錯綜するサスペンス。
Amazonの商品ページより
列車事故の被害者である雑誌記者の辰巳(たつみ)。
そして、入院先の看護師や鉄道会社、警察、弁護士。
読み始めると、辰巳の視点で事故の真相を暴いていくのがメインストーリーのような気がしますが、単純にそうはなりません。
ある程度進むと、メインの人物が変わって、事故を通じたそれぞれの言動を見ることができます。
あらすじにもある通り、まさに「それぞれの正義が錯綜するサスペンス」なのです。
辰巳は事故の真相を解明できるか。自分の下敷きになって死亡した女性の恋人と話して、その想いはさらに加速します。
鉄道会社は事故の処理を穏便に済ませられるか。
警察や弁護士は、単なる事故の処理ではなく、ちゃんと人間相手の対応ができるか。
それぞれに正義があるのです。
若い頃に読んでいたら、辰巳の立場一択だったと思います。
間違いなく張り切って組織に挑む側に立ちます。
でも、40歳になり社会経験をある程度積んだ状態だと、組織側の言動にも、仕方ないよね、と同情できる部分も正直あります。
社会的にはマル。でも人としてはバツ。分かっていながら、時には社会的な方を優先させなければならない辛さが垣間見えます。
でも、この事故の場合、多くの人が犠牲になっていますからね。
やっぱり気持ち的には、ずっと辰巳を応援していました。
まとめ
いかがでしたか?
今回は堂場瞬一の小説『暗転』の読了記録でした。
解説を除くと437ページありますが、状況やキャラクターが分かりやすくて、あっという間に読めました。
こんな感じなら、堂場瞬一の他の警察小説もぜひ読んでみたいですね。
いいデビューとなりました。
それでは、また。