【読了記録】カラスの親指/道尾秀介(いい詐欺師おるわ)
どうも、さっさです。
道尾秀介の小説『カラスの親指』を読みました。
ネタバレ無しの忘備録です。
青字をタップすると、Amazonの商品ページにいけます。
読んだきっかけ
AmazonのKindle Unlimitedのオススメに出てきました。(時期によって、対象書籍が変わります。)
道尾秀介の小説は読んだことがないので、いい挑戦と思ってポチりました。
調べたら、阿部寛主演で映画化されているんですね↓もっと早く知りたかったー。
ちなみに小説はKindle派。
読書端末はKindle Oasisを使っています。読書端末はいいですよ。スマホみたいに不要なものをだらだら見てしまうこともないし、通知に気を取られることもありません。
あらすじと感想
人生に敗れ、詐欺を生業として生きる中年二人組。ある日、彼らの生活に一人の少女が舞い込む。やがて同居人は増え、5人と1匹に。「他人同士」の奇妙な生活が始まったが、残酷な過去は彼らを離さない。各々の人生を懸け、彼らが企てた大計画とは?息もつかせぬ驚愕の逆転劇、そして感動の結末。「このミス」常連、各文学賞総なめの文学界の若きトップランナー、最初の直木賞ノミネート作品。第62回日本推理作家協会賞受賞作。
「BOOK」データベースより
詐欺師のタケ(阿部寛)とテツ(村上ショージ)。
そこに姉妹と姉の彼氏と猫が紛れ込んで、5人と1匹による奇妙な生活が始まります。
詐欺師に窃盗犯にマジシャンと、何とも独特な組み合わせの人たち。そして猫。小説ならではの世界観が読んでて心地いい。
タケはヒグチという人物に追われているのですが、5人で仕返しをしようという大作戦が始まります。
終盤には確かに驚愕の逆転劇と感動の結末が待っています。
これ以上はネタバレになってしまうので、なかなか書きづらいのが悔しいですが、仕方ありません。
タイトルの「カラスの親指」というのも印象的。
カラスは死ぬと仲間に食べられてしまい、すぐに忘れ去られてしまうもの。
人差し指(お母さん指)と小指(赤ちゃん指)をくっつけるのは難しいですが、親指(お父さん指)を使うと、3つの指がちゃんとくっつきます。
「家族ってのはね…」という感じでテツが話す場面があるのですが、これがなかなかの名シーン。
映画は見ていませんが、村上ショージがきっといい味を出しているのでしょう。
このくだりが分かると、読む前は謎だった「カラスの親指」というタイトルが、味わい深くなってきます。
犯罪者を通じてエンタメと感動があるのは、伊坂幸太郎の小説と似ています。似ていますが、今のところ道尾秀介の方がスッと入ってきますね。
伊坂幸太郎の小説は、どうも「死」の扱いが軽くて、エンタメ感が僕には独特。何冊か読みましたが、素直に受け入れられなくて、しばらく離れています。
タイミングかな。
伊坂幸太郎もまた読んでみることにします。
まとめ
いかがでしたか?
今回は道尾秀介の小説『カラスの親指』の読了記録でした。
前半はエンタメ感が強いです。特定のミッションや謎も無く、一体何をやっているんだろうと思ってしまいました。
ですが、終盤ではちゃんとどんでん返しと感動が待っています。
このギャップがわざとらしくなく、素直に受け入れることができます。
いい小説です。
この小説には『カエルの小指』という続編があるんですね。
読むっきゃない。
それでは、また。