【読了記録】テミスの剣/中山七里(死刑からの無罪。やりきれない)
どうも、さっさです。
中山七里の小説『テミスの剣』を読みました。
ネタバレ無しの忘備録です。
青字をタップするとAmazonの商品ページへ行けます。
読んだきっかけ
シリーズ化されていないものの、同じ主人公の渡瀬刑事が登場する『ネメシスの使者』を読んだ勢いのままポチりました。(『ネメシスの使者』の読了記録もよかったらご覧ください。)
幸運なことに、AmazonのKindle Unlimitedにありました。
出版時期は『テミスの剣』の方が先。知らずに『ネメシスの使者』を読んでしまいました。
若かりし頃の渡瀬刑事の話ということで興味深いものがあります。
小説はKindle派。Kindle Oasisで読みました。
あらすじと感想
豪雨の夜の不動産業者殺し。強引な取調べで自白した青年は死刑判決を受け、自殺を遂げた。だが5年後、刑事・渡瀬は真犯人がいたことを知る。隠蔽を図る警察組織の妨害の中、渡瀬はひとり事件を追うが、最後に待ち受ける真相は予想を超えるものだった!どんでん返しの帝王が司法の闇に挑む渾身の驚愕ミステリ。
「BOOK」データベースより
『ネメシスの使者』と同じく、国家権力が悪役に回る話。
事件の真相も気になりながら、警察組織の隠蔽工作にめげずに内部告発をやり遂げようとする渡瀬も応援。
まあ、アカンのは渡瀬の先輩刑事である鳴海。
取調べで被疑者を徹底的に痛めつけて、やってもいない罪を認めさせてしまったのです。
実際にこんなことがまかり通っていたら、許せませんね。
5年後、事件の真犯人を見つけた渡瀬は誓います。
「もう二度と間違えない」
できれば『テミスの剣』を読んでから『ネメシスの使者』を読みたかったですね。『ネメシスの使者』の渡瀬はもう刑事として完成していて、少しの隙もない感じでしたから。
『テミスの剣』を読んでから『ネメシスの使者』を読めば、老練熟成された渡瀬を順当に拝めます。
まあ、逆の順番で読んでも面白いですけどね。渡瀬にも辛い時期があったんだ、と。
途中で犬養刑事(『切り裂きジャックの告白』より)の名前が登場します。違う作品で世界がつながっているというのは中山作品のお約束ですね。
事件の真相には驚き。
渡瀬はよく気がつきましたし、話をあそこまで持っていく中山七里の筆力にはいつも脱帽。
まとめ
いかがでしたか?
今回は中山七里の小説『テミスの剣』の読了記録でした。
間違えることは誰にでもあります。だって人間だもの。
でももし間違いが警察や検察、裁判所のものであって、それが自分や我が子の身に降りかかってきたら。
もう誰を恨めばいいか分かりませんし、誰に謝られても許すことはできませんよね。
そんな強烈な「if」が味わえる小説でした。
それでは、また。