【読了記録】ソロー『森の生活』を漫画で読む/ヘンリー・デイヴィッド・ソロー(19世紀の記録が現代人の胸を打つ。)
どうも、さっさです。
『ソロー『森の生活』を漫画で読む』を読みました。
発行 2018年10月30日
読了 2022年7月31日
読んだきっかけ
Amazonのオススメに出てきました。
直感があって即ポチ。大正解でした。
小説やマンガはKindle版で買いますが、この本のような自己啓発モノは、紙の本で買うようにしています。しばらく本棚に置いて、ふとした時に手に取りたいからです。
大まかな内容と感想
シンプルな生き方を提唱して、名著のほまれ高い『森の生活』。
Amazon商品ページより一部抜粋
実際に読むと長大で難解なこの作品を、選び抜いたソローの文章とジョン・ポーセリノによるシンプルな描線で漫画にしたのが本書です。
ポーセリノはソローの文章を引用しながら切り貼りしたり入れ替えたりして、一編の物語を読むように漫画を構成しました。
「名著のほまれ高い」って、知らなかったですね。世界は広い。
「実際に読むと長大で難解」なら、まずはマンガで十分だと思います。どうしても気になったら本冊を読めばいいと思いますが、僕の場合、こういうときはたいていマンガで十分です。
「どう生きるか?」と考えるときに、
①何かを身につける
②何かを捨てる
という2択になります。
この本は②の方。僕好みです。
この手の本はたくさん読んでいますが、結論として、
他人のことはあまり考えずに、富と権力への欲求をできるだけ捨てて過ごす。
だいたいここに行き着きます。
ソローはハーバード大学卒業後、教師をしたり、父親の鉛筆工場で上質な鉛筆を開発したり、エッセイストを目指して日記を書いたり、執筆に専念したいので森で暮らしたりして、1862年に44歳で死去しています。
余分なものを削ぎ落として、自給自足の生活をしていました。
そんなソローの目には、人々はなんて余計なもの(作中では「静かな絶望」とあります)を抱えたまま生きているのだろう?と思えたのです。
われわれが常に勉強しているのは、そういう(物質的に必要な)ものを手に入れるためではなく、ときどきはもっと少ないもので満足するためではないのだろうか。
本文P15より
良いこと言うなあ、ソロー。
何かを手に入れる=豊かになる、ということが100%ではないんですよね。
いくつも手に入れた中から、自分で選んで生きることが豊かになるということだと、僕は思います。
愛より、富より、名声より、真実がほしい。わたしは、本当の豊かさを楽しめる貧しさがほしい。
本文P63より
このフレーズ、好きです。
この本を読んで受け取るもののイメージは、セネカ『人生の短さについて』、鴨長明『方丈記』と似ています。
「手に入れる」よりも「捨てる」、「求めない」ことで豊かさを手に入れるということ。
これは、うまく生きるための真実の1つだと思います。
まとめ
今回は『ソロー『森の生活』を漫画で読む』の読了記録でした。
シンプルな暮らしから真実を見出そうとしたソロー。
読み始めてすぐに、ムーミンのスナフキンが浮かんできました。
「手に入れる」よりも「手放す」、「求めない」ことで得られる幸せは確かに存在します。
お金の使い方が分からずに、とにかく最新の流行のものばかり買ってしまっていませんか?大したことない報酬のために、仕事を頑張り過ぎていませんか?
思い当たることがある人は、この本を読むと、きっと何かきっかけになりますよ。
それでは、また。