「人生の短さについて」[セネカ](人生は短い。したいことをしよう)
名著です。
内容紹介
人生は浪費すれば短いが、過ごし方しだいで長くなると説く表題作。逆境にある息子の不運を嘆き悲しむ母親を、みずからなぐさめ励ます「母ヘルウィアへのなぐさめ」。仕事や友人、財産とのつき合い方をアドヴァイスする「心の安定について」。古代ローマの哲学者セネカが贈る“人生の処方箋”。
「BOOK」データベースより
- 「人生の短さについて」
- 「母ヘルフィアへのなぐさめ」
- 「心の安定について」
この3つが収録されています。パウリヌスという人物に宛てた手紙のような文面で書かれています。
個人的には「心の安定について」がグッときました。また後で述べます。
著者紹介 セネカ
セネカ,ルキウス・アンナエウス
「BOOK著者紹介情報」より
1B.C.‐65A.D.ローマ帝国の属州ヒスパニア・バエティカのコルドバに生まれる。カリグラ帝時代に財務官として活躍する。カリグラ帝が暗殺されクラウディウスが皇帝に就くと、その妃メッサリナの画策により姦通罪に問われ、コルシカ島へ追放される。8年余りの追放生活ののちローマに戻り、ネロの教育係となる。ネロが皇帝に就任後は政治的補佐を務めるが、制御することができず辞表を出す。隠遁生活に入ってからは精力的な執筆活動をおこなった
古代ローマの政治家ですね。
弁論・演説がうま過ぎて、ローマ皇帝に殺されかけたり、陰謀に巻き込まれてコルシカ島に流されたりと、順風満帆に見えて、理不尽な目にあっています。
手に取ったきっかけ YouTubeです。
古代ローマでも「忙し過ぎる!自分の時間がもっとほしい!」と悩んでいた人がいたんですね。
セネカは全財産を手放して、辞職して自分の時間を作ることができたといいます。
現代人の悩みって、実はほぼ解決されているのかもしれません。
そう考えると、歴史や哲学って学ぶ意味があります。
「人生の短さについて」はこの動画に魅力がギュッと詰まっていて、学びが大きかったのですが、この記事では省略します。
この本から学べること
「誰もが現在あるものに倦怠感を覚えて生を先へ先へと急がせ、未来への憧れにあくせくするのである」「何かに忙殺されている人間のいまだ稚拙な精神は、不意に老年に襲われる。何の準備もなく、何の装備もないまま、老年に至るのである。あらかじめその用意を整えておかなかったからだ。彼らは、思いも寄らず、ある日突然、老人となる」
人生がいかに短いかということを考えさせられます。
何かに忙殺される人生であれば、早く抜け出したいですね。
まず心に留めるべきは、持たないほうが、失うよりも、はるかに苦痛が少ないという事実だ。(中略)手にしていないほうが、手放すよりも、たやすく耐えられるし、気楽でもある。(中略)われわれは、以前から倹約を心がけてきた。そうであれば、われわれは、ほどほどの財産でも満足できるだろう。じっさい、倹約なしには、どれだけの財産でも十分とはならず、どれだけの財産でも満足が得られないのだ。
お金や地位、人脈といったところですね。
特にお金は「欲しい」と願えば、キリがありません。
多くの人は「あるに越したことはない」と考えています。しかし、幸福度調査をすると年収800万円がピークで、それ以上は下がっていくというデータがあります。仮にお金があっても、生活レベルを上げてしまっては年収1000万円でも貧乏という感じです。
「がんばっても給料がたいして変わらない」など、お金を稼ぐ努力がしにくい状況であれば、出ていくお金を減らすことですね。例えば現在使っているお金を見直して、生活水準を下げれば楽な生活ができます。車は中古の軽でいいとか、服や時計などの身に付けるもののブランドにこだわらないようにするという感じです。
まとめ
古代ローマの人が現代人と同じ悩みを抱えていた、というのが大きな発見ですね。
自分と同じことを、既に悩んで解決を試みた人がいるなら、参考にしない理由がありません。
日頃ググるだけで済ませている人。中でもググったはいいけどなんかスッキリしないという人。
こういう本は自分の思考を深めることができるので、ぜひ読んで欲しいです。
そして気づきます。「人生は自分の考え方次第」だと。