【読了記録】虚像の道化師/東野圭吾(湯川先生、念力も透視も幻聴もお見通しなのね)
どうも、さっさです。
東野圭吾の小説『虚像の道化師』を読みました。
ガリレオこと湯川先生が、超常現象と思われる事件を物理学の観点から解決していく人気シリーズ、第7弾。7つの短編集です。
文庫本の発行が2015年3月10日。読了日は2022年4月18日。
Amazonの商品ページはこちらから↓
読んだきっかけ
東野作品全制覇計画が進行中です。もはやきっかけも理由も分かりませんが、ただ読みたい!
これで100冊中(2022年4月19日時点)89冊読了です。
あらすじの忘備録
天才物理学者・湯川と草薙刑事のコンビが難事件を解決する、シリーズ王道の短篇集。単行本二冊分の文庫版オリジナル編集で登場!
ビル5階にある新興宗教の道場から、信者の男が転落死した。男は何かから逃れるように勝手に窓から飛び降りた様子だったが、教祖は自分が念を送って落としたと自首してきた。教祖は本当にその力を持っているのか、そして湯川はからくりを見破ることができるのか(「幻惑す」)。
文庫化に際し単行本『虚像の道化師』と『禁断の魔術』(収録作「猛射(う)つ」を除く)を合本して刊行致します。ボリューム満点の「ガリレオシリーズ」短編集です。
ほかに「心聴(きこえ)る」「偽装(よそお)う」「演技(えんじ)る」「透視(みとお)す」「曲球(まが)る」「念波(おく)る」を収録。
「BOOK」データベースより一部抜粋
今回も湯川の頭の回転が速い。
念力も透視も幻聴も、双子間のテレパシーも全て物理学の観点から解決に導きます。
「幻惑す(まどわす)」
このカラクリは実際にできそう。
心の浄化とか言って大師が念を送ると、信者は暖かさを感じて前向きになります。中国には気功というものがあります。でも人が手をかざしただけで暖かさを感じるのは不思議ですよね。
大師に念を送られた団体幹部が、窓から飛び降りてしまいます。念力では殺人事件として立件できません。果たして。
「透視(みとお)す」
草薙にクラブへ招待された湯川。アイというホステスには透視の力があり、湯川の名刺を見る前に「湯川学先生」と名前を当てます。これにはいつも冷静な湯川もキョトンとしてしまいます。
そんなアイが荒川沿いの草むらで遺体となって発見されます。
果たして、犯人は誰なのか。そして透視のカラクリとは。
「心聴(きこえ)る」
脇坂睦美はパソコンに向かっていると、耳鳴りがしました。このところよくあります。
そんな時、部長の早見達郎が飛び降り自殺。捜査を進めると、早見にも耳鳴りがしていたことが分かります。しかも、はっきりとした声が聞こえるのです。
草薙は起きると熱っぽく、近くの病院へ。そこで暴れる男を取り押さえようとして、ナイフで刺されてしまいます。
「曲球(まが)る」
38歳のプロ野球選手・柳沢忠正の妻・妙子が殺されてしまいます。妙子の車の助手席には、誰かに渡す予定だったと思われる時計がありました。忠正には心当たりがありませんでした。浮気でしょうか?
一方、湯川は柳沢の投球フォームをコンピューターで分析。戦力外通告された男の、現役復帰の手助けをします。
妙子を殺した犯人は逮捕されましたが、助手席の時計は謎のまま。
果たして、誰に送るつもりだったのでしょうか。
「念波(おく)る」
「感じるの。若菜さんの身に何かあったんだと思う」
春菜は双子の姉の身を案じ、若菜の旦那である磯貝智宏に電話。磯貝が若菜の自宅に駆けつけると、玄関を上がってすぐの廊下で、若菜が頭から血を流して倒れているのでした。
警察では報告書に「テレパシー」なんて書けません。草薙はまた湯川の助けを借りるのでした。
湯川は春菜を大学に呼びました。双子特有の何かがあるかもしれない、と脳から出る電磁波を取得。
またしても湯川の機転で、事件は解決に向かいます。
「偽装(よそお)う」
湯川と草薙は、車で東京から3時間以上かけ、雨の中ある山奥の建物に向かいました。大学の知り合いがそこで結婚式を挙げるのです。
途中の山道で車のタイヤがパンク。通りかかった赤いアウディの女性がわざわざ止まって、傘を貸してくれたのでした。
その夜、結婚式場の近くの建物で夫婦が遺体となって発見されます。通報者は赤いアウディの女性でした。
麓では悪天候で道路が封鎖されてしまいます。管轄外ですが草薙は仕方なく、捜査をすることになります。
すると、遺体発見現場の写真を見た湯川。被害者は反動が大きい散弾銃で撃たれたのに、ロッキングチェアに座ったままというのはおかしい、と違和感を訴えるのでした。
誰が何のために偽装しているのでしょうか。
「演技(えんじ)る」
劇団員の駒井良介は、同じ団員の神原敦子に刺されてしまいます。敦子は駒井の携帯電話を手にして幾つかの連絡先を消去。そしてその時上がっていた花火の写真を撮ります。さらにその携帯を持って他の団員と待ち合わせて、会話中に携帯からその相手に発信して、駒井がまだ生きているように工作します。
湯川は敦子の劇団のファンクラブに入っていました。事件が解決しないと、劇が見られません。その縁で草薙と連絡を取って、事件解決に手を貸すことにします。
「演技(えんじ)る」というタイトルの意味に気がついた時は衝撃でした。そんなことをする人がいるのか、と。