【読了記録】毒笑小説/東野圭吾(「誘拐天国」に始まる傑作短編集!)
どうも、さっさです。
東野圭吾の小説「毒笑小説」を読みました。
忘れないようにネタバレ無しで記録します。
読んだきっかけ
東野作品、全制覇計画進行中です。これで78冊読みました。
全部読んだところで何になるのか?何にもならないかもしれません。でも読みたい。ただ読みたい。
あらすじ
塾にお稽古に家庭教師にと、VIPなみに忙しい孫。何とかゆっくり会えないものかという祖父の訴えを聞いて、麻雀仲間の爺さんたちが“妙案”を思いつく…。前代未聞の誘拐事件を扱った「誘拐天国」をはじめ、毒のある可笑しさに満ちた傑作が1ダース!名作『怪笑小説』に引き続いて、ブラックなお笑いを極めた、会心の短篇集。「笑い」追求の同志、京極夏彦との特別対談つき。
「BOOK」データベースより
・誘拐天国
上記のお話。
・エンジェル イチオシ!
未知の生命体が発見されます。興味深いのはエンジェルそのものより、人間模様。ただ楽しむだけの人がいたり、エンジェルを利用して金儲けをする人がいたり。
・手作りマダム
お金持ちのマダムに、近所の主婦たちが気を遣いまくるお話。まずい料理に無理やり「おいしい」と言わなければいけません。
・マニュアル警察 イチオシ!
妻を殺してしまった夫が、自首しようと警察へ。ところがその警察には犯人が自ら出頭してくるケースを想定しておらず、夫はあちこちに振り回されます。どこに行けば自首できるのか。
・ホームアローンじいさん イチオシ!
自分以外の家族が夕飯を食べに出かけます。その隙に高校生の孫の部屋に入ってアダルトビデオを見ようと試みるじいさん。ビデオデッキの操作の仕方が分からずにエアコンのスイッチを入れてしまい、部屋は極寒に。あきらめて下に降りると、外から侵入者の影が…。
・花婿人形 イチオシ!
富豪の息子の結婚式。由緒ある家系で、母親が厳しい。息子が小さい頃から、見た目や言動、交友関係、結婚相手に至るまで全てを管理されてきました。ついに結婚の日。しかし、新郎である息子には、どうしても今すぐ母に確認しておきたいことがありました。でも準備に忙しい母はなかなか取り合ってくれません。母さん、今すぐ確認したいんだ。緊急なんだ…。
・女流作家
連載が滞る作家と、編集担当者たちのお話。
・殺意取扱説明書
ある女性が古本屋で上記の本を見つけます。そういえば殺したいくらい憎んでいる人がいました。本に従って、殺人を実行しようとしますが…
・つぐない イチオシ!
ピアノの先生が、あるお宅に招かれます。15歳の少女の習い事の先生になるのかと思っていたら、そうではなく…。
・栄光の証言
いけてない中年男性が偶然殺人事件の現場を見ていて、その証言をしたことから、初めて周囲の人気者になります。
・本格推理関連グッズ鑑定ショー
祖父は病気で間も無く息を引き取るところ。孫にある棒を形見として渡します。役に立つ時がきっとくる、と。
・誘拐電話網
突然の電話。「子供を誘拐した。3000万円用意しろ」。ところが電話を取った男には、子供がいませんでした。誘拐犯は、「お前が金を払わないせいで、他人の子供が死んでもいいのか?」と煽ってきます。適当に電話番号を押したらしい。どう対処するのか…
まとめ
前作の怪笑小説に比べると、面白かったです。
「エンジェル」では未知の生命体の発見があります。最初は見たり食べたりと、利用するだけでしたが、そのうち話が大きくなっていきます。途中から出てくるSF感がいい。「三体」に通ずるところがあります。
「マニュアル警察」では、何もかもマニュアルに従わないと動けない警察署の人たちに唖然。殺人犯が目の前にいるのに、他の受付に行って手続きを済ませてからまたきてください、なんて役場でよくあるような感じになります。
「ホームアローンじいさん」も面白い。じいさんには初めてアダルトビデオを1人でじっくり見られるチャンス。でもデッキの操作の仕方が分からずになかなか見られません。このもどかしさがいい。ビデオデッキとエアコンのリモコンの区別がつかないじいさん、かわいすぎます。
この作品のベスト3はこんな感じです。
さあ、次に行きましょう。