「ダイイング・アイ」[東野圭吾](目の力って、すごい。)
どうも、さっさです。
今回は東野圭吾のミステリー小説「ダイイング・アイ」ネタバレ無し。
2007年1月発売。
文庫本は2011年1月20日発売。
2020年4月には、コロナの時期ということで特別に電子化された作品の1つです。
↑WOWOWで、連続ドラマWとして映像化もされています。
これもなかなか面白い。
DVDの発売は2019年8月21日。
三浦春馬が主演です。
著者紹介 東野圭吾
1958年、大阪府生まれ。
Amazonより
大阪府立大学工学部卒業。
エンジニアとして勤務しながら、85年『放課後』で第31回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。
99年『秘密』で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者Xの献身』で第134回直木賞を受賞。
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あらすじ
雨村慎介、何者かに襲われる
バーテンダーとして働く雨村慎介のもとに、見知らぬ男が客として現れます。
なかなか帰ろうとしない客でした。
閉店時間になって男は帰っていき、慎介も閉店作業を終えて帰ろうとします。
人の気配を背後に感じたのは、エレベーターが到着した時。
頭に衝撃。ですがそれを感じている余裕はありませんでした。
消えていく意識の中で、最後に見たあの黒い影。
さっきの客に間違いありませんでした。
ベッドで目を覚まし、1年半前の人身事故を思い出す
慎介は、病院のベッドで目を覚まします。
同棲中の村上成美がお見舞いに来ていました。
成美とは、2年ほど前から同棲しています。
慎介が銀座のバーで働いていた頃、客に連れられてやってきたホステスの1人でした。
以前はデザイナーを目指して専門学校に通っていました。
今年で29歳。店では24歳ということにしています。
小塚という刑事が慎介を殴った男について聞いてきます。
警察はすでに犯人を特定していて、狐塚は慎介に一枚の写真を見せます。
そこに映っていたのはあの日、慎介を襲った男、岸中玲二。
彼はマネキンの工房で働いていましたが、警察が怪しいと彼のマンションを訪れた時、彼はすでに自殺していました。
パラフェニレンジアミン、通称パラミンという毒を飲んだということです。
マネキンを作る工房では、毛髪染色料が必要になります。
ここで慎介は、なぜ警察は玲二が怪しいと思ったのか疑問に思います。
小塚「本当に覚えがないのかい、岸中玲二という名前に」
すると、小塚は
「岸中ミナエという名前ならどうだい。こっちも記憶にはないのかな」
慎介の頭に引っ掛かります。
女性は玲二の妻であり、一年半前、慎介の運転する車と接触し、命を落としていたのでした。
しかし、慎介は事故のことだけ何も思い出せません。
警察は愛する妻を殺された復讐だと考えていました。
慎介も当時の記憶が戻らないまま退院して、成美と住むマンションに帰ります。
部屋は綺麗になっていました。
成美は気を紛らわすために模様替えしたのだといいます。
慎介はやがて事件当時、以前働いていた『シリウス』というお店の客、由佳が酔いつぶれてしまったので車で送っていき、その帰りに事故を起こしてしまったことを思い出します。
慎介はどうしても事故のことを思い出さないと気が済まず、玲二の住んでいたマンションに向かいます。
すると、玲二の会社の同僚と偶然出会います。
玲二が職場に残した荷物を受け取って、自宅に持ち帰ります。
中には玲二が作成したマネキンの写真を収めたファイルが入っていて、慎介と成美はその中の一枚を見て驚きます。
ウェディングドレスを着たマネキン。
他のマネキンにはない生の気配が漂い、その目は慎介を見ていました。
喪服の女が現れる
仕事に復帰した慎介。
喪服を着た女性が来店します。
慎介は彼女を見た瞬間、彼女に溺れるとなぜか確信します。
しかし、彼女はカクテルを飲むと、帰ってしまいます。
発した言葉は「ヘネシーをくださる?」「もう一杯いただけるかしら」「ごちそうさま」の3つだけでした。
その1週間後、女性は再び茗荷(みょうが)を訪れます。
時刻は深夜1時をすぎていました。
この日も大した話はできませんでしたが、彼女はまた来ると言って、去っていきました。
成美の失踪
慎介はかつてお世話になった『シリウス』に行きました。
以前来た喪服の女性に、次はどんなカクテルを出そうかという研究目的もありました。
そこで、客として来ていた由佳に事故当時のことを聞きます。
由佳は覚えていることをイヤイヤ話してくれました。
ですが、慎介の記憶とどうしても一致しない部分があります。
しかし、そのことを考えている場合ではない状況になります。
成美が帰ってこないのです。
彼女の職場にも電話しますが、出勤していないといいます。
同僚からは、成美が勝負をかけようと思っていると話していたことを聞かされ、独立、もしくは別の男のどちらかかと慎介は考えます。
それからも成美は帰ってこず、慎介は捜索願を出すことにしました。
2人目の加害者
警察署の玄関を出た時、慎介の事故を担当した警官の秋山と会います。
彼はその事故を特殊なケースだと言い、慎介は詳しく話を聞きます。
秋山「変わった記憶喪失もあるもんだねぇ。事故のことだけを忘れてるなんてさ」
秋山が話す事故の様子は、慎介の予想していないものでした。
慎介の車は確かに美菜絵の自転車に追突しました。
その時は彼女は軽傷。
その後、2台目の車、赤のフェラーリが慎介の車を避けようとしてハンドル操作を誤り、美菜絵に向かって突進。
結果として、美菜絵は車と建物の壁の間で潰れて亡くなったのです。
慎介は『シリウス』のオーナーである江島に警察で聞いた話のことをして、二人目の加害者について教えてほしいとお願いします。
すると、江島は嫌がりながらも弁護士の湯川を通じて情報を入手。
もう一人の加害者は木内春彦だといいます。
喪服の女性、再び
ある日、喪服の女性が再び来店します。
今夜は青いドレス。
髪がまた一段と長くなっているように見えました。
ここで初めて慎介は彼女が誰かに似ていると思いますが、誰に似ているのか思い出せません。
女性は慎介に電話番号を教えると、この後一緒に飲まないかと誘われます。
閉店後、彼女に連絡すると、向こうからもう一度連絡するということで待ちます。
なかなか連絡はこず、慎介は半ば諦めていましたが、女性は再び茗荷に現れます。
彼女は瑠璃子と名乗り、それ以外のことは教えてくれません。
・・・
瑠璃子は一体何者なのか?
明かされる真実。
全てを思い出す慎介。
あの時の事件の真相とは?
まとめ
いかがでしたか?
この作品は、いつものミステリーの枠を越えています。
死者の目力に翻弄される人々。
瑠璃子の存在に戸惑う慎介、こちらもハラハラドキドキです。
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