【読了記録】逸脱 捜査一課・澤村慶司/堂場瞬一(最高の刑事にならなきゃいけないんだ)
どうも、さっさです。
堂場瞬一の小説『逸脱 捜査一課・澤村慶司』を読みました。
ネタバレ無しで振り返ります。
青字をタップすると、Amazonの商品ページに行けます。
読んだきっかけ
Amazonのおすすめでたどり着きました。
調べたら、堂場瞬一さんは警察と野球の小説が多いのが特徴ですね。
海外ミステリーが好きだそうで、この点は他の作家と違うところ。
文体が小説に反映されているかどうか、楽しみです。
ちなみに小説はKindle派です。
読書端末はKindle Oasisを使っています。
小説を読むのが目的でKindle Unlimitedに加入しています。
あらすじと感想
10年前の未解決事件を模倣した連続殺人。立て続けに3人の惨殺体が見つかった。県警捜査一課・澤村は、コンビを組む初美とプロファイリング担当の橋詰と犯人を追うが、上司と激しく衝突し孤立を深める。澤村は過去に自分が犯した失態により心に大きな傷を抱えていた。トラウマを払拭すべく澤村が捜査に邁進する中、さらに4人目の犠牲が出てしまう。被害者の共通点を洗うと、浮かび上がってきたのは意外な人物だった―。
「BOOK」データベースより
ストーリーはよくある警察小説という感じですが、面白い。最後までしっかり読めます。
堂場さんが好きな海外ミステリーの特徴が反映されているのが、他の小説にはない大きな特徴といえます。
例えば、新しい人物が登場したら、まず見た目の印象をバーッと述べること。
罫線が多く使われていること。「ー」←これです。
何かを詳しく説明したい時に使われます。日本では「( )」で済まされることが多い。ちなみに村上春樹の小説は「( )」がたくさん登場します。
海外小説の日本語訳版では「ー」を使うことが多いです。
ですが、堂場さんの小説では最初から日本語で書かれていますが、罫線が多く登場します。
登場人物のセリフに、人に喰いかかるような勢いがあるのも、海外小説でよく見られる特徴です。アメリカ人とか、元々そういう気質なんですよね。日本では強めの印象があって、僕には面白いですが。
主人公の澤村慶司37歳。捜査一課に所属しています。
過去のある事件がきっかけで、最高の刑事になることを目指して勤務しています。
「新宿鮫」シリーズの鮫島みたいに、周囲に気を遣うことなく、独断専行で捜査を進めるタイプです。鮫島も澤村も守ってくれる上司がいるから許されているように見えます。
ただ、澤村の印象は鮫島とはずいぶん違います。
鮫島は淡々としたしゃべりの割に内側に熱いものを持っているような感じですが、澤村は相手が上司だろうがとにかく噛み付くタイプ。
ドラマ「24」のジャック・バウアーみたいでもあります。
こんな人、実際に部下に持つと厄介でしょうね。小説だから面白く見られる感じです。
それぞれのチャプターの終わり方も、海外ミステリーっぽい。ある程度の量を読んだら、普通に途切れて場面が切り替わります。
ここは例えば東野圭吾の小説だと、「えー!こんなとこで切らんといて!先が気になるやん!」という感じなんですが、『逸脱』では普通にほどよい温度で切り替わる印象です。
ちょいちょい出てくる犯人目線のシーン。これも特徴的。終盤まで本当に誰だか分かりません。
ラストのアクションシーンも面白い。
澤村が上司たちぶつかりながら色々捜査をしてきた結果、やっと犯人との対決です。
ここまでが長すぎたり短すぎたりすると興醒めしてしまうのですが、この小説はちょうどいい。
まとめ
いかがでしたか?
今回は堂場瞬一の小説『逸脱 捜査一課・澤村慶司』の読了記録でした。
もはや小説を読みすぎて、面白さが何かが分からないステージに入っています。
ですので、他の小説を比べるとこんな違いや特徴がある、という記録になりました。
何か参考になればうれしいです。
とはいえ、このシリーズは全部読みたいな。
堂場瞬一さんの海外ミステリーのような文体も好きです。
元々、日本の小説に飽きて海外ミステリーを探していたところ。
そんな時に堂場さんの小説に出会えたのは幸運だったと思います。
これでまた、しばらく楽しめそうです。
それでは、また。