【読了記録】殺気!/雫井脩介(殺気を感じる特殊能力)
どうも、さっさです。
雫井脩介の小説『殺気!』を読みました。
ネタバレ無しで振り返ります。
読んだきっかけ
『検察側の罪人』きっかけで、雫井脩介のファンになりました。(このサイト内に『検察側の罪人』の読了記録があります。よかったらご覧ください。)
ブックオフに行って、雫井脩介のコーナーへ。裏表紙のあらすじを見て気になったものを一気買いしました。そのうちの1冊が『殺気!』です。
あらすじと感想
このざわめきは事件の予兆!?12歳で何者かに拉致監禁された経験をもつ女子大生のましろは、他人の「殺気」を感じ取る特殊能力が自分にあると最近分かってきた。しかし、その起因を探るうち、事件当時の不可解な謎に突き当たってしまう。一方、街では女児誘拐事件が発生。ましろは友人らと解決に立ち上がるが…。一気読み必至のミステリー。
「BOOK」データベースより
このあらすじ、「特殊能力×ミステリー」を期待させますよね。東野圭吾『ラプラスの魔女』のような。
ですが、実際に読んでみると、ましろの特殊能力がメインではない感じの展開にがっかり。加えて青春群像の割合が大きく、一体何を読ませられているんだか、という感じにもなってしまいました。
塾の生徒たちから毎日のようにリアルな青春話を聞いて過ごしていますので、小説にまで青春は求めていません。
序盤でましろの特殊能力紹介みたいなくだりがあります。そこは結構ひきつけられます。
でも、以降は青春メインでミステリー感はゼロ展開が続きます。特殊能力の期待が大きかったので、残念な印象が拭えません。
これは「あらすじ」を書いた人のミスと思います。
小説の中身との差が大き過ぎます。
ましろのバイト先での強盗退治まではお見事でした。
でもその後が失速。
次の不思議な事件を待っていましたが、どれだけ読んでも何も起こらない。
読むのをやめてしまおうかと何回も思ってしまいました。
いっそ短編集にした方が、この設定は活かせるのではないでしょうか。
ましろの特殊能力があることで、難事件が解決できたり、特殊能力があるが故に解決できなかったり、といった日常の中にある少し不思議な展開、というテイストの方が僕は好きですね。
まとめ
いかがでしたか?
今回は雫井脩介の小説『殺気!』の読了記録でした。
今まで読んできた雫井作品の中では最下位の作品となりました。
途中から特殊能力がしばらく出てこないわ、青春メインに切り替わってしまうわで、「あらすじ」との差に我慢できない時間が続きました。
偶然、一気買いした雫井作品がこれで無くなりました。雫井作品から一旦離れたいと思います。
実は薬丸岳の小説も一気買いしてありまして、次はそちらにいきます。
それでは、また。