【読了記録】犯罪小説家/雫井脩介(小説家・待居、脚本家・小野川)
どうも、さっさです。
雫井脩介の小説『犯罪小説家』を読みました。
ネタバレ無しで振り返ります。
青字をタップすると、Amazonの商品ページに行けます。
読んだきっかけ
映画「検察側の罪人」をきっかけに雫井脩介のファンになりました。
以来、雫井作品全制覇を目指しています。
『ビターブラッド』や『クローズドノート』といったユーモアとか不思議系の話は、正直あんまりでしたが『犯罪小説家』は良さそうな気配。果たして。
ちなみに読書端末はKindle Oasisを使っています。
小説が目的でKindle Unlimitedに加入しています。
あらすじと感想
新鋭作家、待居涼司(まちい りょうじ)の出世作『凍て鶴』の映画化が決まった。監督・脚本に選ばれた奇才・小野川充(おのがわ みつる)は、かつて世間を騒がせた自殺系サイトとその主宰者・木ノ瀬蓮美の“伝説の死”に異常なこだわりを見せ、執拗に映画と絡めようとする。一方、小野川に依頼されて蓮美の死の謎に迫り始めたライターの今泉知里は、事件の裏に待居と似た男の存在があると気づき―。予測不能の恐怖が待ち受ける、雫井サスペンスの真骨頂!
「BOOK」データベース
小説家が主要人物の小説ってなかなか無くて、興味深かったですね。
作品が受賞するまでの苦悩とか、編集担当者の振る舞いとか、本が出来上がるまでの裏側が見られたところは面白かったです。
『凍て鶴』の映画化で、方針が食い違う待居と小野川。このくだりも興味深かった。
小説が映像化されると、原作との違いって結構大きな話題になりますからね。
あらすじに「予測不能の恐怖」とありますが、この小説のタイトルがほぼネタバレ。
ですので、予測不能ということはなかったです。
途中で「自殺」の話題が出てきます。これが興味深い。
小野川によると、自殺者の割合は若者よりも中高年の方が多いのだそうです。
若者が自殺をすると、周りはつい「まだ先があるのにもったいない」となりがち。
でも、中高年の自殺は人生経験をひと通りした後の決断。
若者目線でいう「先」を生きた結果の自殺なのです。
「生きる自由」があれば「死ぬ自由」があってもいいのではないか。
どうして死ぬことは悪いことなのか。
こんなくだりが出てくるのですが、なんだか深いですよね。
まあ、このブログを読みつつ、もし生きることに悩んでいる人がいたら、ついでにアドバイスさせてもらうと、あまり考えないことです。
自己啓発とか哲学系の本を読み尽くした僕から言わせてもらえば、食事と睡眠が十分であれば、それはすでに最高の幸せと思うことです。
他人の正解なんか考え過ぎてはいけません。イヤなことはイヤと言えばいいのです。
「他人がどう思うか」ということに支配されて生きている人は、間違いなく不幸です。自分がどう思うかを優先すべき。
富と権力を手に入れた先に幸せはありません。キリがない争いが続いて消耗するだけです。食べれているなら、それ以上は望まないことです。
と、こんな思考が湧いてくるこの小説。僕は好きですね。
まとめ
いかがでしたか?
今回は雫井脩介の小説『犯罪小説家』の読了記録でした。
面白さは『検察側の罪人』には及びませんでしたが、興味深い小説でした。
謎を追いかけながら、人生観を考えさせられるのは、僕好みの流れ。
小説がただのエンタメに終わらないのはいいですよ。
ぜひ多くの人に読んでほしいですね。
オススメです。
それでは、また。