【読了記録】犯人に告ぐ/雫井脩介(劇場型捜査でバッドマン探し)
どうも、さっさです。
雫井脩介の小説『犯人に告ぐ』を読みました。
ネタバレ無しの忘備録です。
青字をタップすると、Amazonの商品ページにいけます。
読んだきっかけ
『検察側の罪人』、『火の粉』と読んで、雫井脩介ワールドにハマりました。(この2つはこのサイト内で読了記録があります。よかったらご覧ください。)
以来、時間を見つけては雫井脩介の小説を読むようにしています。
『ビターブラッド』のような軽めのエンタメ小説もありますが、雫井脩介はやっぱり心の闇とか奥底に迫る重厚なものがいい。
他の作家でも読みたい小説がたくさんあって、積読が一向に減りません(汗)。
ちなみに小説はKindle派。
読書端末はKindle Oasisを使っています。
あらすじと感想
闇に身を潜め続ける犯人。川崎市で起きた連続児童殺害事件の捜査は行き詰まりを見せ、ついに神奈川県警は現役捜査官をテレビニュースに出演させるという荒技に踏み切る。白羽の矢が立ったのは、6年前に誘拐事件の捜査に失敗、記者会見でも大失態を演じた巻島史彦警視だった―史上初の劇場型捜査が幕を開ける。第7回大藪春彦賞を受賞し、「週刊文春ミステリーベストテン」第1位に輝くなど、2004年のミステリーシーンを席巻した警察小説の傑作。
「BOOK」データベースより
主人公は警視・巻島史彦。
調べたら豊川悦司が主演で2007年に映画化されていました。トヨエツ初の刑事役ということです。
トヨエツは東野圭吾原作の映画「プラチナデータ」(2013年)の印象が強い。2007年の頃の僕は社会人2年目。全身アトピーを発症してミイラ男になっていた時期ですね。こんな作品があるとは知りませんでした。
読んでいる時の没入感がなかなか良い。
自分が巻島になった気分で、テレビ番組に出演して「バッドマン(犯人)に告ぐ」って宣言するのは、気持ちいいものがあります。
一方で、巻島とタッグを組んで操作をしている植草。
出演したニュース番組の裏番組のキャスターを務める杉村未央子に片想いをしています。
植草は巻島の裏番組出演や、メディアには明かしていない操作情報を餌に、未央子に学生時代以来のアプローチをしかけます。
キャリアで経歴は申し分ない植草。でも未央子は以前からなかなかなびきません。だからこそ燃える植草の気持ちはよく分かります。
大人の打算的な恋愛。いいなあ。このくだりも、非日常へ連れて行ってくれる小説の魅力があります。結末は読んでのお楽しみ。
巻島の家族の存在もいい。あったかい。
連続児童殺害事件ということもあり、家族の安否を思う巻島。
思わず僕自身の家族も重ねて感情移入してしまいます。
まとめ
いかがでしたか?
今回は雫井脩介の小説『犯人に告ぐ』の読了記録でした。
文庫本では上下に分かれていて、総ページ数は600を越えます。でも途中でダレることはありません。バッドマンが誰なのかと、植草の恋路が気になりすぎて、ページをどんどん進める感じでした。
これ、シリーズ化されていて、3まであるんですね。読まなきゃ。
それでは、また。