東野圭吾

沈黙のパレード/東野圭吾 序盤のあらすじと感想(町ぐるみの隠蔽工作に湯川が挑む)

さっさ

どうも、さっさです。
今回は東野圭吾の小説「沈黙のパレード」読了記録。

ガリレオシリーズ9つ目の事件です。おなじみの湯川先生、刑事の草薙と内海も登場します。2022年映画公開予定です。

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序盤のあらすじ

静岡のゴミ屋敷の焼け跡から、3年前に東京で失踪した若い女性の遺体が見つかった。逮捕されたのは、23年前の少女殺害事件で草薙が逮捕し、無罪となった男。だが今回も証拠不十分で釈放されてしまう。町のパレード当日、その男が殺された――容疑者は女性を愛した普通の人々。彼らの“沈黙”に、天才物理学者・湯川が挑む!

文庫本裏表紙より

並木祐太郎は妻の真智子と「なみきや」という定食屋を営んでいます。

佐織という娘がいました。

佐織は美人で歌がとても上手く、高校生の時に音楽プロデューサーである新倉の元でデビューに向けてトレーニングを積んでいました。

高校を卒業して19歳のある日、佐織が失踪します。

それから3年。佐織は見つかりません。

静岡県の小さな町で火災が発生して2つの遺体が発見されます。

そのうちの1つが佐織のものでした。

もう1つは老女。蓮沼寛一という男の母親。

蓮沼は23年前に行方不明になった本橋優奈ちゃん殺害の容疑者。裁判では無言を貫き、無実となっています。

この時に草薙がこの家を訪れていた縁で、今回の佐織の件も草薙が担当することになります。

「なみきや」は東京の菊野というところにあります。

警察の捜査もむなしく、蓮沼は釈放されてしまいます。

蓮沼は「なみきや」で佐織にお酒をつがせようとしたことで出禁にされていました。

蓮沼は「なみきや」へ行って、犯罪者にされそうになったことについて賠償金を請求するつもりだと言います。

並木祐太郎、小学生の時からの悪友・戸島、音楽プロデューサー・新倉、佐織の元恋人・高垣など、いろんな人の協力を得て、蓮沼に復讐することを決めます。

その決行の日は、菊野で年1回のパレードが行われる日。

蓮沼はその日に、死体となって発見されます。

犯人、殺害方法、動機。

どれも決定的なものがなく、警察の捜査は難航します。

一方、湯川がアメリカから帰ってきていて、菊野に建設された新たな研究施設にいます。

草薙は湯川に会いに行くのでした・・・

感想

・蓮沼の残虐性、ろくでなしっぷりは東野作品の中でもトップクラス。

少女を誘拐して殺したとされながらも、裁判では「お話しすることはありません」を貫き通して無罪。

佐織の失踪にも絶対に絡んでいるはずだが、またしても沈黙を貫いて不起訴。

そして佐織の両親のところに行って、犯罪者にされそうになったことの賠償金を請求すると脅します。

蓮沼は多くの人から憎まれて、ついにパレード当日に殺されます。

読んでるだけで、怒りがムクムクとわいてきたのは久しぶりです。

2022年公開予定の映画では、蓮沼の役を一体誰がやるのか、めちゃくちゃ興味深い。

NHKドラマ「おしん」でおしんの父親を演じた伊藤四朗さんは、近所の人から「おしんちゃんになんて厳しいことをするんだ!」と罵声を浴びせられたそうです。

アメリカのドラマ「プリズンブレイク」で黒人差別をしがちなティーバッグを演じたロバート・ネッパーは黒人に襲われるのではないか、と街を歩きにくかったそうです。

蓮沼を演じる俳優さんも嫌われてしまわないか心配です(汗)

蓮沼にはそれくらい強烈な存在感があります。

・町の人たちが蓮沼殺しに少しずつ加担するという方式が斬新。

それぞれに役割があって、警察からの聴取にも最初の方はうまく対応しています。

佐織がいかに前途有望で、町の人々に愛されていたのかが伝わってきます。

まとめ

いかがでしたか?

僕は最後の数ページで泣きました。

並木祐太郎が娘の佐織のことを語るシーンです。

事件は解決しましたが、佐織はもう帰ってきません。

そんな状況で前を向こうという気持ちに、強く胸を打たれます。

映画でもこのシーンはきっとあると思います。

泣くだろうな・・・うん、思いきり泣こう。

それでは、また。

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ABOUT ME
さっさ
さっさ
塾講師。読書家。
1982年生まれ。愛知県一宮市の塾講師。読書量は年間100冊以上。勉強のやり方、自己啓発や心理学、ビジネスや哲学関連は読み尽くし、現在は小説が中心。読了記録を書き残しています。参考になればうれしいです。
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