「大人のスピード説得術 口ベタでもうまくいく57の具体例」[中谷彰宏](説得するには、うまく説得されること。深いね)
どうも、さっさです。
今回は中谷彰宏の「大人のスピード説得術」
2000年8月3日初版発行。
他にも「大人のスピード勉強法」「大人のスピード読書法」などスピードシリーズがあります。
この本のポイントをざっくり言うと「相手の話をしっかり聞くこと」「相手にうまく説得されること」
「えっ?こっちが説得するんじゃないの?」って思いませんか?
どうやら説得のポイントは、相手の話をよく聞くことにあるみたいです。
強力なトーク術を期待する人には、期待外れかもしれません。
でも、営業でもなんでも結局一方的なスピーチではダメなんですよね。あくまで相手ありき。
説得するというのは、相手の不満を解消することです。
普段話し過ぎて失敗している人には、大きな学びがあります。
グッとくるところを厳選
反論に強い人が、説得上手だ。
説得する時は、ときには反論を受けますから、反論に強くならなければいけません。
反論に弱い人は、反論に対してナーバスになり過剰反応してしまいます。
これでは、相手を説得することはできません。
お客様からクレームが来た時も、反論されるととたんに冷静さを失ってしまいます。
何か自分なりの意見を言うと、「その言い方はなんだ、謝れ」と言ってけんか腰になったりします。
反論は筋道が通っていない場合もありますし、本質的なこととは全くズレている場合もあります。
レベルの低い反論に対して、人間は往々にして冷静さを失いがちです。
「反論は受けて立つ」という姿勢になった時に、初めてその人は冷静に相手を説得することができます。
説得するためには勢いがなければいけませんが、同時にクールでなければいけません。
冷静さを失わず、かつ熱意があることが大事です。
反論されたからといって、交渉が決裂したわけではありません。
コミュニケーションの半分は同意で、半分は反論です。
「反論されて当たり前」「反論大歓迎」という姿勢に立てば、反論してきた相手を説得するチャンスが生まれます。
反論してこない相手は、そのことに関心がないのです。
関心があるからこそ、反論するのです。
学生の間は、気の合う仲間といればいいです。
働くようになると「なんて分からずやなんだ」という人にたくさん出会います。
価値観や前提が違うので仕方ありません。
とことん話して、どんどん摩擦をすることです。
相手の反論をさえぎるから、説得できない。
反論に対してはどんどん反論してもらい、とことん相手の意見を吐き出させることが大事です。
人間は、自分への反論をあまり聞きたくないものです。
とかく相手の反論を全部聞き終わらないうちに話の腰を折ってしまいます。
反論している人は、まだ全部反論しきっていませんから、モヤモヤが残ります。
不完全燃焼している相手を説得することはできません。
説得とは、相手の心の中のモヤモヤを1つ1つ取り除いてあげることです。
自分の中でモヤモヤがなくなった時、初めて相手の意見を素直に聞くことができます。
相手にどんどん反論してもらって、最後に「なんだ、言いたいことはそれだけか」というトドメの一言で、相手はそれ以上何もいうことができなくなります。
「言いたいことはそれだけか」と口に出して言わなくても、心の中で思っていればいいのです。
「怒っている割には、意外に小さい反論だったな」ということに気付いて、相手の反論に冷静に対応することができます。
相手がカッとなると、こちらもついついあわててしまいますよね。
「何、それだけ?」と余裕の気持ちで受けて立つ。
これができたら強いです。
反論して来る相手は、説得しやすい。
結局、勝つのは反論を聞いている方で、反論する人は負けます。
反論には「的を得た反論」と「的を得ない反論」の2通りがあります。
「的を得た反論」をされて痛いところを突かれたら「なるほど」と受け入れればいいのです。
相手を説得する一番の方法は、相手にうまく説得されることです。
相手にうまく説得されることによって、話はまとまります。
議論の目的は、相手を説得することではなく、話がまとまることです。
自分が説得するよりは、自分がうまく説得されることで話がまとまったほうがいいのです。
相手を言い負かそうとすると、無駄な時間がかかってしまいます。
こちらが負けたほうが、時間的には実は勝てるのです。
勝ち負けにこだわるよりも、時間を無駄にしないことが大事です。
反論を聞いたからといって、相手に負けたと思う必要はありません。
相手の反論に対しては「よくある意見だな」と、心の中で思っておけばいいのです。
レベル的には幼稚な意見だと感じたら「お決まりの意見で、何も新しいことはないな」という同情的な気持ちで聞いていれば、ニコニコ笑って聞くことができます。
レベルの低い意見に対してついムッとして反論するようでは、あなたのレベルを下げることになってしまいます。
相手を言い負かそう、というよりは、話をまとめて時間を節約しようとすることに大賛成ですね。
議論の場ではプライドや勝ち負けへのこだわりほど、邪魔なものはありません。
早く意見をまとめることです。
謝ることは美学である。
謝るのは、カッコ悪いことではありません。
「謝るのはカッコ悪い」と思っているから、なかなか謝ることができません。
交渉のスピードアップを図ろうとすると、ひたすら「意地の戦い」になって、見栄やメンツにこだわってしまいます。
コミュニケーションは、カッコよくしようとしてはいけません。
説得されるほうが、本当はカッコいいのです。
謝ることは美学です。
謝ることのできる人は、とてもカッコいい人です。
謝ることのカッコよさに気付いた人はどんどん謝ることができますし、謝られた方は気持ちがいいのです。
謝ることがカッコいいということに早く気付いたほうが勝ちです。
謝っている人に対して、それ以上説得しようとは誰も思いません。
謝ることで、自分のペースを取り戻すことができます。
謝ることは、意外に強力な最終兵器になるのです。
先輩や上司、クレーマーの中には、謝ればすぐ許してくれる人もいますよ。
その人はただ謝って欲しいだけ、という場合があります。
僕には時間短縮が大事です。
謝れば済む相手には、すぐ謝るようにしています。
どんなに長く話しても、聞き手はひとことしか覚えていない。
サービス業では「鉄ゲタを履いてはいけない」という言い方があります。
1人のお客様につかまって、逃げられなくなってはいけないという意味です。
1人のお客様に長く付き合ってしまうと、他のお客様へのサービスができなくなります。
そのお客様は満足かもしれませんが、他のお客様は「なんであのお客様とだけ長く話しているのだろう」とイヤな印象を持ちます。
色々な話題を出して、長く話せば相手に印象付けられると思い込みがちですが、そんなことはありません。
話の長さは関係ありません。
相手に残るのは、結局は1つのエピソードです。
4つも5つも話してはいけません。
たくさん話そうとする人は、1つのエピソードに対してのインパクトがどうしても弱くなります。
むしろ、話が短いほうが、相手にインパクトを残せるのです。
例えば学校の先生について覚えていることって、怒られたとか強烈なエピソードか、何となくの印象しかないですよね。
授業や話の内容なんて覚えていません。
相手に自分を印象付けようと思った時、長く話す必要はありません。
モノをほめられるより、センスをほめられるとうれしい。
ほめるときに「いい服を着ていますね」といってはいけません。
京都で「いい服、着ていらっしゃいますね」というのは「服が勝っているね。あんた、服に負けているよ」という意味の遠回しのからかいです。
ほめる時は、モノではなくて、その人のセンスをほめてください。
例えば「いい組み合わせだね」と言えば、その人がやっていること、その人のセンスを評価していることになります。
何気なしにやっている組み合わせをちゃんと見てくれたということは、自分に関心を持って見てくれているんだな、とうれしくなります。
コーディネートのセンスにこそ、その人の個性が出ます。
「いい企画だね」とほめられるよりは、「この企画、いいセンスだね」とセンスをほめられれば、別の企画をいくらでも持っていけます。
モノよりセンスをほめられた時に初めて、自身がほめられたと感じることができるのです。
モノをほめてしまっている人には革命ですね。
相手のセンスに注目して話すと、距離をグッと縮められます。
そのほうが、会話も広がって楽しくなります。
まとめ
いかがでしたか?
「説得するには、うまく説得されること」
深いですね。
話し上手は、実は聞き上手でもあります。
相手を説得したい時ほど、話をよく聞くことです。
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