半落ち/横山秀夫
どうも、さっさです。
小説『半落ち』を読みました。
あらすじと感想を書き残しておきます。
「妻を殺しました」。現職警察官・梶聡一郎が、アルツハイマーを患う妻を殺害し自首してきた。動機も経過も素直に明かす梶だが、殺害から自首までの2日間の行動だけは頑として語ろうとしない。梶が完全に“落ち”ないのはなぜなのか、その胸に秘めている想いとは――。日本中が震えた、ベストセラー作家の代表作。2003年このミステリーがすごい! 2002年週刊文春ミステリーベスト10 第1位。
Amazon商品ページより
いやー、やっと読めました。この作品は映画の公開が2004年1月。同じ月に公開された「解夏」を映画館で見た時に「半落ち」を知り、当時大学生の僕には「気にはなるけど、見たいまではいかないな」と一旦遠ざかってしまいました。
当時は「解夏」「いま、会いにゆきます」「電車男」と日本映画のヒット作が続く、個人的邦画全盛期。「半落ち」は惜しくもスルーしてしまいました。
2024年になり、本屋で小説の文庫本コーナーを見ていると『半落ち』を発見。そういえば、と20年前の記憶が蘇って手に取ったのでした。
この小説の1番の見どころは、梶が完落ちしなかった理由。それを解明するために関係者6人の視点で連作短編集のように描かれます。
これがまたジワリジワリと、いい感じのゆっくりスピードで進むんです。少しずつ明らかになっていく梶の事情に、結末気になる度が最大まで高まります。
妻を殺害したということで、他の女の存在とか財産絡みとか、ミステリーでは定番のものを想像していましたが、全く違いました。そりゃ梶も黙秘を貫くよな、と納得。未読者はぜひ自分の目で確かめて欲しいです。
それにしても、横山秀夫が描く男性は暴言暴力が当たり前で荒々しいですね。調べたらドラマ「臨場」の原作小説も横山さんなんですね。確かに、「臨場」の倉石も立原も真っ直ぐで不器用で、何かあるとキレるしかないという感じが共通しています。
映画「64」の原作小説も横山秀夫なんですね。この映画は2004年9月にアテネ行きの飛行機の中で途中まで見ました。座席の前に付いている画面で映画を見たりゲームができたりするじゃないですか。これも気にはなったけど、見たいまでは行っていませんでした。
今になれば『64』も読みたいな。僕は42歳になりましたが、横山秀夫が描く男性たちは今は魅力的。不器用でどこか影があって。
Amazonのprime videoで映画「半落ち」をチェックする