【読書記録】希望のひとしずく/キース・カラブレーゼ
どうも、さっさです。
小説『希望のひとしずく』を読みました。
ネタバレ無しで振り返ります。
あらすじと感想
オハイオ州の小さな町には、願いを叶えてくれるという井戸がある。中学一年生のライアンは、裕福な家の一人っ子アーネスト、幼なじみのリジーとともに、この井戸を見つける。そして、クラスメイトや町の人たちのさまざまな願いごとを知る。アーネストの亡くなったおじいちゃんが屋根裏部屋に保存していたものたちが、不思議な縁でいろんな人の手にわたり、奇跡的にその願いがかなっていく。いろんな悩みをかかえる人々が、ちょっとしたやさしさで救われていく、希望と愛でいっぱいのものがたり。
Amazon商品ページより
オハイオ州というのは、アメリカを4つに分けたときの右上に位置し、五大湖の真ん中、ヒューロン湖の南側にあります。
ほどよい田舎で少年少女たちが駆け回ります。
作者が創作ライティングの学位を持つ方だけあって、ワクワク、ドキドキ、感動がテンポよくやってきます。
僕は10代の頃の感覚を鈍らせないようにするためにこういう本を読みます。大人になればどうでもいいものに熱中して怒って悲しむ様子は、懐かしのあの頃を思い出させてくれます。
ただ、海外小説ならではの難点が。
・登場人物が多くて把握しづらい。
・日本の小説に比べて登場人物の内面が描かれない。
特に2つ目が大きくて、全体的に面白かったという気持ちにはなるものの、特にこの場面が、ということが言いにくいです。これはこの作品に限ったことではなく、海外小説あるあるです。
日本の小説では、登場人物の内面が多く描かれます。天候や風景すら心情の表現手段になっています。ところが、海外小説ではこうした手法はほとんど見られないのです。元々の文化の違いでしょうか。
ですから、読書感想文の難易度は高いと思います。まだ『アフリカでバッグの会社はじめました』の方が、自分のことを重ねて考えやすい。『ノクツドウライオウ』も自分のやりたいこと、自分の将来のことを考えるきっかけになるので書きやすい。
今作は登場人物の誰に、どこの場面で何を、という感想が浮かびづらいです。ただサーッと連続ドラマを見ているようです。
こういうもので感想が書けるタイプの人はいいのでしょうが、僕はダメですね。誰がどうなろうと何も思えない(笑)。
読書感想文をどの本で書こうか、という人は、他の2冊のどちらかにするのをオススメします。
まとめ
いかがでしたか?
今回は小説『希望のひとしずく』の読書記録でした。
少年少女の気持ちに触れることができたのが今作の収穫でした。
40代になると、気持ちの上下がなくなります。だからこそ安定していいのでしょうが、自分に退屈してしまうところがあります。
だからこういう小説を読んで、あの頃の気持ちを思い出したいんです。同窓会で昔話ばっかりしてしまうのと似ていますね。
それでは、また。