【読書記録】夢幻花/東野圭吾(黄色いアサガオの謎を追う)
どうも、さっさです。
東野圭吾の小説『夢幻花』を読みました。
ネタバレ無しの読書記録です。
数年ぶりの再読でしたが、程よく忘れていて初回と同じようにグッときました。名作です。
あらすじと感想
花を愛でながら余生を送っていた老人・秋山周治が殺された。遺体の第一発見者である孫娘・梨乃は、祖父の庭から消えた黄色い花の鉢植えが気になり、ブログにアップする。
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それを見て身分を隠して近づいてきたのが、警察庁に勤務するエリート・蒲生要介。ふとしたことから、その弟で大学院生の蒼太と知り合いになった梨乃は、二人で事件の真相解明に乗り出す。一方、西荻窪署の刑事・早瀬も、別の思いを胸に事件を追っていた……。
日本刀を持った男が暴れるプロローグ1から一気に引き込まれます。
そしてプロローグ2。家族とアサガオを見にきていた蒼太。そこで知り合った孝美とメールアドレスを交換し、毎日メールをするようになります。
気に入った女の子のメアドを聞き出す、というのは僕にも青春時代ド真ん中。高校から大学にかけてはまさにこういう時代でした。だからかな、蒼太と孝美のやり取りがくすぐったくていい感じ。
しかし、親からメールを止めるように言われてしょんぼりの蒼太。無視してメールを続けようとすると、今度は孝美の方から「もうやめましょう」と突然のお別れになってしまうのです。
また場面が変わって本編のスタート。会話相手が花だという老人・秋山周治が遺体で発見されます。
誰がなぜ秋山周治を殺さなければならなかったのか。気になります。
でもこの小説の本当の見どころはそこではありません。
秋山周治の家から無くなっていた植木鉢。なんとそれには、実在しないはずの黄色いアサガオが咲いていたのです。
黄色いアサガオって見たことありませんよね?それもそのはずで、アサガオには黄色くなる理由となる物質が含まれていないのです。
新種の発見か。
だとしたら、なぜそんなものが秋山周治の家にあったのか。
読み進めると、プロローグにあった日本刀の男と、蒼太と孝美の突然の別れの謎も解明します。
複数の謎を散りばめ、事件の真相が明らかになった後にももうひと展開あるのが東野イズム。今作ではその特徴がバチっとハマって、いい小説になっています。
これはぜひとも映画化して欲しい。でも内容が内容なだけに、なかなか難しいかもしれません。
まとめ
いかがでしたか?
今回は東野圭吾の小説『夢幻花』の読書記録でした。
途中、なかなか手掛かりがつかめなくてじれったくなるかもしれません。でも、そこはグッとこらえて読み進めていけば、終盤ではしっかり驚けます。
東野圭吾の小説を読むと、本屋大賞や直木賞候補作よりも全然面白く読めると、いつも思います。
自分の感覚を磨くために賞レースの作品は毎回チェックしているのですが、どうもピンとこないものが複数あります。
まあ、自分に合うものを読めばいいですよね。
人間も音楽も同じ。合う人と話せばいいし、合う音楽を聴けばいいんです。
それでは、また。
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