【読了記録】魔球/東野圭吾
どうも、さっさです。
東野圭吾の小説『魔球』を読みました。
ネタバレ無しで振り返ります。
野球の天才、須田武志を忘れない。
あらすじと感想
9回裏二死満塁、春の選抜高校野球大会、開陽高校のエース須田武志は、最後に揺れて落ちる“魔球”を投げた。すべてはこの一球に込められていた…。捕手北岡明は大会後まもなく、愛犬と共に刺殺体で発見された。野球部の部員たちは疑心暗鬼に駆られた。高校生活最後の暗転と永遠の純情を描いた青春推理。
「BOOK」データベースより
母子家庭で育つ須田武志と弟・勇樹。
武志は中学時代から野球で注目される天才。弟は小さい頃に百科事典を与えられ、勉強を頑張っている。
上記の試合の後、キャッチャーの北岡が愛犬とともに刺殺体で発見される。
鑑識によると、犬の方が先に刺されたということ。なぜ?
ある企業に仕掛けられた爆弾。いったい誰が何のために?
野球部の監督・森川には同じ高校の手塚先生とできているという噂。
北岡は森川の家に何か相談しにいった道中で殺害されている。
武志は母・志摩子の実の子ではないらしい。
旦那の須田正樹に誰が父親なのかを聞かれても、絶対に言わない志摩子。いったいどんな事情が?
北岡の事件の捜査を進めているところに第2の殺人事件が発生。
そして何よりも、武志はいったいどうやって試合の最後に魔球を投げたのか?
とまあ、こんな感じでいくつもの謎があって、単なる殺人事件では終わらない。
母子家庭で貧乏で、野球を頑張っている長男がいる。次男は野球の才能がなく、兄を誇りに思っている。
もう、この設定だけでなんとも言えない気持ちになります。
実はこの小説、『放課後』が乱歩賞を受賞する前に応募していて、最終候補まで残った作品。
出版社との間いで、いつか本にしましょう、という話だったみたい。
うん、これだけの力作ならそうなるはず。
やっぱり東野圭吾は単なる事件に終わらなくて、隠された事情や真相といったものがいくつも張り巡らされているのが特徴で面白い。
しかも、それらが全部ズキン、と来る。
金と権力のみならず、家族愛とか少年少女の心の描き方が抜群。
『作家の値うち』で著者の小川榮太郎さんは「抜群に上手い天性の作家だが、構想力や整理能力が高すぎて、人間の業に迫る筆の雑味や粘りに乏しい」という評価。
でも、僕には十分だし、東野圭吾の小説を越えるものに出会ったことはありません。
41歳になり、感覚の退化が進んでいます(汗)。
最新ヒット曲の良さがだんだん分からなくなってるのと同じで、小説も新しい作家への冒険はなかなかしづらくなっている。
僕はずっと東野圭吾でいい。
いや、東野圭吾がいい。
まとめ
いかがでしたか?
今回は東野圭吾の小説『魔球』の読了記録でした。
実はこの本、再読。ブログ開設のだいぶ前に読んでしまっていたので、いい感じに忘れるまで待っていました。
案の定、事件の犯人も隠された事情もすっかり忘れていました(汗)。
この魔球は真似できませんね。
それでは、また。
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