【読了記録】教場X 刑事指導官・風間公親/長岡弘樹(警察学校赴任前のもう一つのお話)
どうも、さっさです。
長岡弘樹の小説『教場X 刑事指導官・風間公親』を読みました。
ネタバレ無しで振り返ります。
青字をタップすると、Amazonの商品ページに行けます。
読んだきっかけ
ドラマ「教場0」の番宣で色んなテレビ番組に出ていた木村拓哉を見て、「そういえば、教場シリーズは読んだことがない」と気がつきました。
AmazonのKindle本でシリーズ5冊を一気買いしました。
読書端末はKindle 0asisを使っています。
これで一旦最終巻です。
『新・教場』という新シリーズが2023年3月に刊行されていますね。
あらすじと感想
今回は実際の現場が舞台の連作短編集になっています。
時系列でいうと、5作中2作目。風間の警察学校赴任前で、かつ『教場0』の後という設定です。
いつものように犯人による犯行の場面からスタート。この辺は「古畑任三郎」と似ています。
その後、これまたいつものように新人刑事が、風間からの少なめのアドバイスで事件を解決していきます。
風間は相変わらず早いタイミングで犯人が誰か分かっているようですが、あえて新人に考えさせるのが風間流。
しくじったら交番勤務に逆戻り、という厳しい状況の中で、新人たちは必死に事件解決を目指します。
警察内部では「風間道場」と呼ばれています。
今作では、風間を義眼に追いやった十崎(とざき)の影がチラつきながら、事件が色々発生する流れ。
十崎は改造した千枚通しを凶器に、通り魔として警察にマークされていますが、なかなか逮捕することができません。
最後の章で、十崎絡みの話が出てきて、なぜ風間が警察学校勤務になったのかが分かります。
警察にも色々あるんだな、と。
これでシリーズ5冊全て読みました。
今までにない設定の話という点では面白い。
ただ、僕としてはなぜ風間がこんな冷徹な感じになってしまったのかが知りたいですね。(前作の感想でも書きましたが。)
読み進めるうちにいつか描かれるのではないか、と思っていましたが、5冊読んでもついに描かれることはありませんでした。
刑事としては優秀なのでしょうが、なんだか冷たいというか、話しかけづらいというか。一般的な職場だったら、間違いなく人と接してはいけないタイプです。
学生でこんな人はいません。社会人になって、何か強烈な経験があって、こうなってしまったとしか考えられないんです。
風間が植物を世話する場面がちょこちょこ出てきます。
普通なら「お、意外な一面!」と思われるのでしょうが、僕的にはそうはなりません。
植物の世話はマメにするのに、職場の部下の健康やモチベーションのことは全く見えていない人を、実際に見たことがあるものですから(汗)。
「植物よりもっと人間を見ぃ!」って、千鳥ノブ風にツッコミたくなるような人ですね。
今作でも富と権力と愛憎をめぐる殺人事件がいくつも発生。
短編だから仕方ないのかもしれませんが、やはりそれぞれの事件の解決が早い印象。
また、それぞれの犯人があっさり殺人事件を起こす印象もあります。
いくら誰かともめたとしても、そんなにすぐに殺しちゃうの?と思ってしまうところがありますね。
これは多分、長岡さんが物事を整頓する力がハンパないんだと思います。
短編なので限られた文字数での描写、かつ風間と新人刑事のやり取りで、「教場」らしさを出していくのは、ものすごく頭を使うと思います。
まとめ
いかがでしたか?
今回は長岡弘樹の小説『教場X 刑事指導官・風間公親』の読了記録でした。
それぞれの本がほどよい短さで、あっという間に読めました。
また機会があれば、長岡弘樹の他の小説も読んでみたいですね。
それでは、また。