【読了記録】地図と拳/小川哲(満州に生きた男たち)
どうも、さっさです。
2023年1月に直木賞を受賞した、小川哲の小説『地図と拳』を読みました。
ネタバレ無しの忘備録です。
先に謝っておきます。ファンの人、ごめんなさい。今作は僕にはイマイチだったというレビューになります。
青字をタップすると、Amazonの商品ページに行けます。
読んだきっかけ
直木賞くらいは読んでおきたい、という感じのやつです。
以前は候補作を5冊全部読んだこともありました。でも、面白くなくて読んでいて苦痛だったり、挙句いちばん面白くなかったものが受賞したりということがあったので、候補作を全部読むのはやめました。
読書家を気取っているのに、直木賞関連に消極的なのは変な感じもします。
でもここは本音で語るところなので、許してください。
今作もKindle版で購入。
僕がいつも使っている端末はKindle Oasisです。
あらすじと感想
日本からの密偵に帯同し、通訳として満洲に渡った細川。ロシアの鉄道網拡大のために派遣された神父クラスニコフ。叔父にだまされ不毛の土地へと移住した孫悟空。地図に描かれた存在しない島を探し、海を渡った須野……。奉天の東にある〈李家鎮〉へと呼び寄せられた男たち。「燃える土」をめぐり、殺戮の半世紀を生きる。
Amazon商品ページより
「えっ、孫悟空?!」ってなりましたが、「ソン ウーコン」という人物で、ドラゴンボールも西遊記も関係ありませんでした。
満州でそれぞれの国の事情を抱えた男たちが、日露戦争から第二次世界大戦後までを、生きたり死んだりする話です。
結論から言うと、面白くはありませんでした。
なんか淡々としています。
それぞれの人物が、自国のミッションのためにあれこれやっているだけ、という印象。
元々、僕が達観しているのはあります。
例えばテレビの「情熱大陸」。それぞれがやりたいことをやっているだけなのに、何が情熱なの?と思います。20代の頃は感銘を受けることもありましたが、40歳になった今はもう受けません。人の頑張りを見ているよりも、自分が何ができるか考えて動いている方がいいです。
作中ではいつくかの戦争や関東大震災があり、犠牲や困難がこれでもかというくらい降りかかってきます。
でもこれって正直、NHKドラマ「おしん」と同じ流れ。場所が違うだけ。
『スラムダンク』以降のバスケ漫画があまり面白くないのと似た感じ。
「おしん」の時はめちゃくちゃ感情移入したのですが、『地図と拳』はダメでした。誰にも同情できない。
困難な状況の中で、頑張って何かをしようとするのが面白い人には、この本は手に取る価値があります。
分厚いですしね。
読むのに時間はかかりますが、読後の達成感はハンパないですよ。
読後感で言えば、『三体』とも似ています。
バトルを散々繰り返した結果、残るのは虚しさだけ、という感じが、『地図と拳』にもありました。
でも、唯一無二な小説ではありませんでした。
まとめ
いかがでしたか?
今回は小川哲の小説『地図と拳』の読了記録でした。
このレビュー、書こうかかなり迷いました。
でも、読むのにめちゃくちゃ時間がかかったし、無駄にはしたくなかったので、記録しないわけにはいきませんでした。
Amazonレビューでは、「重厚な歴史小説」なんて言葉が踊っていますから、好きな人にはたまらないんでしょうね。
ただ、学習塾で中学社会を長年担当している僕からすると、歴史的なことはもうお腹いっぱい。新たに得られるものも無いし、学び初めの頃の楽しさももう無いんです(汗)。
今作で歴史小説の面白さが蘇るかと期待しましたが、無理でした。
直木賞受賞作品で無理なら、多分もう無理です(笑)。
それでは、また。