米澤穂信

【読了記録】黒牢城/米澤穂信 直木賞受賞!(有岡城の荒木村重。官兵衛の企み。)

さっさ

どうも、さっさです。
米澤穂信の小説「黒牢城」を読みました。

ネタバレ無しの読了記録。

このミス2022国内編第1位の作品です。直木賞の受賞作品でもあります。

戦国ミステリーの新王道、ここにあり。

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あらすじ

本能寺の変より四年前、天正六年の冬。織田信長に叛旗を翻して有岡城に立て籠った荒木村重は、城内で起きる難事件に翻弄される。動揺する人心を落ち着かせるため、村重は、土牢の囚人にして織田方の軍師・黒田官兵衛に謎を解くよう求めた。事件の裏には何が潜むのか。戦と推理の果てに村重は、官兵衛は何を企む。デビュー20周年の到達点。『満願』『王とサーカス』の著者が挑む戦国×ミステリの新王道。 

「BOOK」データベースより

感想

・死がいつも近くにあることが、現代人の心を打つ。

「死ぬことへの潔さ」は武士にとっての美徳でした。望みもないのに生にしがみつこうとする武士は軽んじられたのです。

現代では命を取られることはよっぽどありません。毎日退屈だと、時間が無限にあるかのような振る舞いを、どうしてもしてしまいます。

「もし明日死んでしまうとしたら?」と、武士たちは身なりを整えて、刀の手入れをしていたのです。

人生は短いということを改めて考えさせられます。

・初めまして、荒木村重。

高校で日本史を履修しましたが、存在を知りませんでした。

それもそのはず。この人は高校日本史に登場しません。部屋に用語集と日本史小辞典があるのですが、どちらにも載っていませんでした。

晩年は信長、秀吉に仕えた、とWikipediaで確認できました。他にもいくつかの書籍で題材になっているようです。

黒田官兵衛は大河ドラマの岡田准一が頭にこびりついているので、彼が頭の中でずっと話していました。

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・印象に残った官兵衛と村重のやり取り。

「この戦、勝てませぬぞ」

有岡城を訪れた黒田官兵衛が、荒木村重に言います。織田信長には勝てませんよ、と降伏を促したのです。

官兵衛は乱世に疲れていました。豊臣秀吉に行けと言われて、嫌とも言えずに来ました。官兵衛には「如水」という法名があります。そんな水のように生きる男にも、ストレスが溜まっていたのです。ここで首を切られても自分の命運はこんなところだろう、と斬首を恐れていませんでした。

「殺しはせぬ」

村重は官兵衛を生かすことにしました。戦が終わるまで、という条件で有岡城に幽閉することにしたのです。

使者は帰すか斬るか。この2択が当時の常識です。

いつ命を失うか分からない中での、官兵衛と村重のやり取り。そして常識に囚われない村重が印象的でした。

・途中の中だるみ感は否めない。

いくつかの事件を、官兵衛が牢にいながら解決してしまう展開。

ミステリーとしては面白いのですが、戦国時代の独特な言い回しや人名の把握が難しいです。

犯人やトリックはどうせ予想がつきません。ですからそこに至るまでの村重の動きのところは、適当に読みました。

後になって読み返さなきゃいけないことはありませんでしたので、結果オーライです。

「終章でちゃんと繋がってくれ〜」と思いながら読み進めていくと、「おー!」と面白くなりました。

・最後まで読んで思う。集中すべきは「今、目の前のこと」

「神の罰より主君の罰おそるべし。主君の罰より臣下百姓の罰おそるべし。臣下百姓にうとまれては、必ず国家を失う故、祈りも託言しても其罰はまぬがれがたし。故に神の罰、主君の罰よりも、臣下百姓の罰はもっともおそるべし。」

官兵衛が遺した心得とされています。

「会社の未来を案じたり上司のことを気にしたりするよりも、目の前のお客さん、目の前の仕事に集中しなさい」

僕には、そう言われているように思えました。ズキューンときましたね。

さすが「このミス2022」国内編1位の作品です。

ごちそうさまでした!

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ABOUT ME
さっさ
さっさ
塾講師。読書家。
1982年生まれ。愛知県一宮市の塾講師。読書量は年間100冊以上。勉強のやり方、自己啓発や心理学、ビジネスや哲学関連は読み尽くし、現在は小説が中心。読了記録を書き残しています。参考になればうれしいです。
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