白馬山荘殺人事件/東野圭吾 序盤のあらすじと見どころ(ペンションでの暗号解読に挑む)
どうも、さっさです。
今回は東野圭吾の小説「白馬山荘殺人事件」ネタバレ無しの読了記録。
序盤のあらすじ
「マリア様が、家に帰るのはいつか?」謎のメッセージを残して兄は自殺した。妹のナオコは友人のマコトと信州白馬の『まざあ・ぐうす』を訪れ、兄の死の真相を探ることに。英国風のペンションに集う、事件に居合わせた人びと―。彼らは何を求めてここに集まるのか?兄はなぜ死んだのか?密室トリックの謎とマザー・グースの暗号を解け!東野圭吾初期の傑作長編!
文庫本裏表紙より
この作品は構成に特徴があります。
プロローグ1、プロローグ2、第1章〜第7章、エピローグ1、エピローグ2となっています。
プロローグが2つあるのは、東野作品では珍しいです。
プロローグ1は、2年前に白馬のペンションの宿泊客・川崎一夫(東京で宝石店を営んでいて、偽名を使って泊まっていました)が裏の谷に落ちて死んでいるのが発見される場面。
プロローグ2は、1年前に同じペンションで公一という男が部屋で毒を飲んで死んでいたのを、従業員が発見する場面が描かれます。
そして第1章以降で、公一の妹のナオコは友人のマコトと一緒に、ペンション「まざあ・ぐうす」に公一が死んだ時期と同じ頃に泊まって、兄の死の真相を確かめようと試みます。
ペンションには、毎年12月になると同じ顔ぶれが集まって、話をしたり、チェスやポーカー、バックギャモンといったゲームをしたりしていました。
ナオコたちはこの中に犯人がいるのでは?と考えて独自に捜査を始めます。
やがて、宿泊客の1人が裏の谷に落ちて死んでいるのが発見されます。
そう、そこは2年前の死体発見現場と同じところです。
そこにかかっていた石橋はだいぶ前に崩れ落ちていて、散歩に行くにしても通らないところ。
なぜそんなところで2人の死者が出てしまったのか?
ナオコとマコトによる独自の捜査は続きます…。
見どころ
・2年前の川崎一夫の死の真相とは?
家族によると3日前から失踪中。わざわざ偽名を使ってペンションに宿泊していたわけとは?
・1年前の公一の死の真相とは?
状況証拠から服毒自殺で処理されましたが、毒はアイヌの人が狩猟でよく使うトリカブト。青酸カリよりも強力です。
公一?犯人?がどうやってそんなものを入手したのでしょうか?
また、公一が亡くなっていた宿泊部屋は、寝室にも部屋にも内側から鍵がかかっていました。
マスターキーでもなければ外からは開けられません。もちろんマスターキーが盗まれた痕跡はありません。
他殺だとしたら、どういう密室トリックが使われたのでしょうか?
・ペンションの各部屋の壁掛けに書かれた英語の唄の意味とは?
公一はそれぞれの唄には意味があると思って調べていました。意味が分かれば公一の死の真相が分かる、とナオコたちも調べることにします。
まとめ
いかがでしたか?
今回は東野圭吾の「白馬山荘殺人事件」でした。
過去の2つの事件、今回の宿泊客の死、部屋の壁掛けの唄の意味。
気になってあっという間に読んでしまいました。
クローズドサークルもの(外と連絡が取れない状況で事件が起きるもの。山の中のペンションや無人島がよく舞台になります)が好きな人には、たまらない作品と思います。
それにしても、東野作品はオチが全く予想できません。
これで99ある作品のうち65を読みました。
いい加減、東野さんの手の内が分かってきてもいい頃だと勝手に思っているのですが、いまだにオチの予想が当たったことはありません。
小説の殺人事件の動機は「金」と「愛」のもつれがほとんどなので、その視点でまだ明らかになっていない人間関係を予想しながら読むのですが、なかなかうまくいかないものですね。
もはや文字だけで予想を裏切られ続けることに快感を覚えています(笑)
これぞ東野作品の楽しみ方なのでしょう。
それでは、また。