【読了記録】学生街の殺人/東野圭吾
どうも、さっさです。
東野圭吾の小説『学生街の殺人』を読みました。
ネタバレ無しで振り返ります。
恋人が殺されたのに、涙が出てきそうな気がしただけ。
最強メンタルの主人公、爆誕。
読んだきっかけ
東野作品は全て持っていて、全部読む計画を進めています。
この作品は講談社文庫の3作目。
1作目の「放課後」2作目の「卒業」は既に読み終えているので、この作品の順番が来ました。
あらすじ
学生街のビリヤード場で働く津村光平の知人で、脱サラした松木が何者かに殺された。「俺はこの街が嫌いなんだ」と数日前に不思議なメッセージを光平に残して…。第2の殺人は密室状態で起こり、恐るべき事件は思いがけない方向に展開してゆく。奇怪な連続殺人と密室トリックの陰に潜む人間心理の真実。
「BOOK」データベースより
津村光平は大学卒業後も、住んでいる街に残ることにしました。親には大学院に行くと嘘をついて。
ビリヤード場でアルバイトをしていて、広美という年上の恋人がいます。
広美は光平には内緒で毎週火曜日、身障児施設に通っていました。なぜ?
知り合いの松木が殺され、続いて広美も殺されてしまいます。
光平はどちらの事件でも第1発見者になってしまうのでした。
さらに警察の調べで、松木が本名ではないことが分かります。なぜ偽名で生活していたのでしょうか。
感想
「ようやく涙が出てきそうな気がした」
広美が殺された時の、光平のセリフです。
光平はこの後、淡々と犯人を推理していくのですが、恋人が殺されているのでもうちょっと怒り狂ってもいいんじゃないかと思います。
東野さんは後のインタビューで、「ストーリーやトリックよりも主人公や主人公を取り巻く世界を描くことのほうに、ちょっと力を入れ過ぎた」と語っています。
確かに読んでいると「まるで〜のよう」が何回も出てきて、冗長な心情・情景描写とも取れるところがあります。
場面が切り替わるたびに場所や風景の描写から始まるところも多かったです。
東野作品はもう50冊以上読みましたが、珍しいと思います。
事件の犯人判明後のもうひと驚き、というのが東野圭吾の十八番ですが、今作でも炸裂しています。
作家人生序盤の時期に、既に東野イズムが出来上がっているように思います。
主人公の光平が学生上がりのアルバイト君。
恋人がいながらも、バイト先の先輩と寝ることも。
そんな若い頃の自分を懐かしむように読むのも、この小説の楽しみ方ではないかと思いました。
読み終わると、お酒を飲みたいし、ビリヤードもしたい気分。
そんな若い頃のノリ、いいじゃないですか。
まとめ
いかがでしたか?
1987年の作品ですが、全然色褪せない。
こんな長編小説、いったいどうやったら書けるのだろうか、と脱帽です。
小説は年間100冊以上読んでいます。
チャンスがあれば僕も小説を書きたいという気持ちが定期的にわいてくるのですが、一向に書ける気がしません。
もうしばらくは読む専門で大丈夫です。
それでは、また。