東野圭吾

【読了記録】さまよう刃/東野圭吾(娘を殺されたら、誰だってそうなる。)

さっさ

どうも、さっさです。
東野圭吾の小説『さまよう刃』を読みました。
ネタバレ無しの忘備録です。

あらすじを一言でいうと「娘を殺された父親の復讐劇」

2004年12月単行本発行。2008年5月24日文庫本発行。
その後150万部を超すベストセラーになっています。

2009年、寺尾聰主演で映画化されました。

2014年、韓国で映画化。

2021年5月からWOWOWによって、竹野内豊主演でテレビドラマ化。

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あらすじ

長峰の一人娘・絵摩の死体が荒川から発見された。花火大会の帰りに、未成年の少年グループによって蹂躪された末の遺棄だった。謎の密告電話によって犯人を知った長峰は、突き動かされるように娘の復讐に乗り出した。犯人の一人を殺害し、さらに逃走する父親を、警察とマスコミが追う。正義とは何か。誰が犯人を裁くのか。世論を巻き込み、事件は予想外の結末を迎える―。重く哀しいテーマに挑んだ、心を揺さぶる傑作長編。

文庫本裏表紙より

長峰重樹は妻を亡くしていて、男手ひとつで娘の絵摩を育てています。

絵摩は高校1年生。
友人と花火大会に行くと言って、絵摩は重樹の前で初めて浴衣姿を披露します。

午後9時を過ぎるようであれば、携帯で連絡をするように伝えてありました。

しかし、電話がありません。

以前、同じようになかなか帰ってこない絵摩を心配して重樹から電話をしたら「友達にバカにされちゃったじゃない」と怒られたことがあるので、重樹からはなかなか電話ができませんでした。

その夜、ついに絵摩は帰ってこなかったのです。

電話をしてもつながりません。

アツヤ・カイジ・誠は落ちこぼれの高校生グループ。
花火大会帰りの女性をさらって乱暴しようと狙っていて、標的となったのが絵摩でした。

絵摩はクロロホルムで意識を失い、アツヤの部屋に連れ込まれ凌辱されます。

そしてクスリを打たれて死んでしまうのです。

そのシーンは録画されていて、これまでも他の女性で撮影された複数の映像はアツヤのコレクションになっているのでした。

少しして、荒川で絵摩の死体が見つかります。

復讐

長峰は最愛の娘を亡くし、途方に暮れます。

そんな彼の元に、
「絵摩を殺した犯人はアツヤとカイジである」
と密告する匿名の電話がかかってきました。

本当かどうか疑いつつも、長峰は指定された住所に向かいます。
郵便受けの裏に鍵が隠されていることも聞いており、アツヤが留守なのを確認して部屋に侵入するのでした。

部屋にはビデオテープが並んでいて、そのうちの1つを再生すると、2人の男に凌辱される絵摩が映っていました。ベッドの下には、絵摩が花火大会の日に着ていた浴衣が隠されていました。

そこへ、アツヤが帰宅。
長峰は怒りが爆発します。ナイフでアツヤをメッタ刺しにして、男性器を切り取ります。

長峰はアツヤの絶命寸前「カイジは長野のペンションにいる」と聞き出します。

・・・

警察はアツヤ殺害事件の捜査を始めて、絵摩をレイプしたのが彼らであることを突き止めます。

さらにアツヤの部屋から絵摩のビデオだけ無くなっていることから、長峰のところに確認に訪れます。

しかし、長峰はすでに姿を消していたのです。以前趣味で使っていた、猟銃と一緒に…

警察も長野に向かい、カイジの捜索がスタート。

果たして、長峰の復讐劇の行方はどうなるのでしょうか…

評価

☆☆☆☆☆(星5)

娘を殺された父親の復讐と、復讐を止めたいけどどこか微妙な警察。お見事。最初から最後まで心が揺さぶられっぱなしでした。

少年犯罪と、その裁きについて書かれたこの物語。

子を持つ親でなくても「正義とは何か」と考えされられると思います。

もし自分の娘が同じに遭わされたとしたら、犯人を前にして自分をコントロールできる自信がありません。きっと後先考えずに復讐を果たすことでしょう。

警察側も「法を守るのが、100%正義だと言えるのか」と自問自答せざるを得ないところが印象的です。

決して軽く読める作品ではありません。

読み終わった後に「正義」とは?「命」とは?と、考えさせられること間違い無しです。

まとめ

いかがでしたか?

今回は東野圭吾の小説『さまよう刃』の読了記録でした。

東野圭吾は残虐な犯人と、被害者遺族の内面を描くのが本当に上手い。

親になってから読むと、おそらくこの小説の価値が急激に上がります。

自分の子どもに対しての感謝の気持ちがわいてきて、もっとちゃんと関わろうと思えます。

それでは、また。

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ABOUT ME
さっさ
さっさ
塾講師。読書家。
1982年生まれ。愛知県一宮市の塾講師。読書量は年間100冊以上。勉強のやり方、自己啓発や心理学、ビジネスや哲学関連は読み尽くし、現在は小説が中心。読了記録を書き残しています。参考になればうれしいです。
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