福澤徹三

【読了記録】灰色の犬/福澤徹三(誠一×刀根×遼平)

さっさ

どうも、さっさです。
福澤徹三の小説『灰色の犬』を読みました。
ネタバレ無しの忘備録です。

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読んだ経緯

Kindle Unlimitedで『新宿鮫』を読んでからの派生です。

Amazonって1回ポチると、似たジャンルのオススメがブワーッと出てくるイメージで、そんな感じでたどり着きました。

『新宿鮫』シリーズは12巻まであるので、素直に読んでいけばいいのですが、つい寄り道してしまいます(汗)。

まあKindle Unlimitedで課金しているわけですけども、図書館の中でピンときた本を手に取るという感じは同じですね。しかもオススメしてくれるんだから手っ取り早い。

もちろん、自分で好みの本を探す楽しさもありますけどね。

僕は基本、小説は電子版で買います。この小説はKindle Oasisで読みました。

あらすじ

警本部捜査四課のエースだった片桐誠一は、情報漏洩の疑いで左遷された。十年後、誠一は県警本部から流出した捜査員名簿を入手する。捜査員名簿の出所を暴けば、過去の濡れ衣を晴らせると、誠一はひとり捜査に乗りだす。しかし他部署の応援で拳銃のやらせ捜査を命じられ、顔見知りの暴力団幹部、刀根剛に協力を求める。ちょうどその頃、誠一の息子、遼平は職にあぶれたあげく、090金融に手をだして返済地獄に苦しんでいた。巨大組織に狙われた三人は絶体絶命の窮地を脱出できるのか。貧困と格差が渦巻く現代の闇をえぐる、新たな警察小説の誕生!

「BOOK」データベースより

誠一が置かれている状況は、高スペック過ぎて大人しくしていることができず、上司ににらまれて窓際部署に追いやられている感じ。『新宿鮫』の鮫島とほぼ同じ。

今作は警察内部と巨大組織の関わりを暴いていくのがメインストーリー。

この小説は「ハードボイルド」というジャンル。暴力とエロを淡々と描くというものです。

暴力担当は刀根。
誠一のために拳銃の手配をしたり、暴力団内での上下関係の描写があったり、非日常へと連れて行ってくれます。いろんな小説でヤクザのことは見ていますが、何かあるとすぐに指を切るとか、集団暴行の話とか大きい金額の話になるのがヤクザなんですね。

エロ担当は誠一の息子・遼平。
25歳で無職。バイトもしていなくて、家ではいつも誠一とギスギス。

パチンコで負けて「090金融」というところでお金を借りるようになってから、返済のためにさらに他のところでお金を借りる悪循環に陥ってしまいます。さらに返済が間に合わず、アカン人たちにとらわれてしまいます。

遼平の知り合いの悠斗のつながりで、夜の商売をしている樹理、美希と出会います。樹理はいつも思わせぶりなことを言って、遼平を自分の店に呼ぼうとします。

でも遼平はお金がなくてなかなか樹理のお店に行けません。バイトを始めますが、稼ぎが追いつかず、借金の利息がふくらむばかり。パチンコに行ってもなかなか勝てません。家に帰っても誠一にブツブツ言われるのが確定しているから、なかなか帰ることもできません。

そして、美希との接近。顔は樹理に劣るものの、それ以外は美希の勝ち。

そんなこんなで、捜査員名簿の捜査を進めるうちに、誠一・刀根・遼平がつながって、一気読み必至の結末が待っています。

評価

☆☆☆☆★(星4)

ストーリーから受ける印象は、『新宿鮫』と近いものがあって、特筆すべきところはありません。

この小説ならではのところは、セリフが博多弁であること

「しゃあしい」(やかましい)とか、「きさん」(きさま)など、たくさんの博多弁が出てきます。

僕には心地いいです。

高校生の時のハンドボール部のコーチが福岡大卒。博多弁にすっかり染まって、名古屋の母校に帰ってきました。

「ちゃちゃきぃ、どこ打ちようとかあ!」(佐々木、シュートをどこに打っているんだ)などと、よく叱られました。

また、大学生の時に仲良しだった知り合いの出身が福岡市。「〜と」「〜けん」って会話に出てきました。

そんなことが懐かしく思い出されます。

この小説、九州の人にはスラスラ読めるんじゃないですかね。

まとめ

いかがでしたか?

今回は福澤徹三の小説『灰色の犬』の読了記録でした。

博多弁で描かれる警察小説って初めてです。いい感じ。

「条川署クロニクル」というシリーズで、2022年12月時点で4巻まで発行されています。

続きが読みたいですね。

誠一や遼平のその後が気になります。

それでは、また。

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ABOUT ME
さっさ
さっさ
塾講師。読書家。
1982年生まれ。愛知県一宮市の塾講師。読書量は年間100冊以上。勉強のやり方、自己啓発や心理学、ビジネスや哲学関連は読み尽くし、現在は小説が中心。読了記録を書き残しています。参考になればうれしいです。
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