【読了記録】木曜日にはココアを/青山美智子(読みやすく温かい。こんな小説があるんだ。)
どうも、さっさです。
青山美智子の小説『木曜日にはココアを』を読みました。
ネタバレ無しで振り返ります。
発行 2017年8月26日
文庫本発行 2019年8月6日
読了 2022年5月7日
読んだきっかけ
2022年本屋大賞の候補作品を読んでいて、『赤と青のエスキース』に出会いました。
これがすごく面白くて、青山美智子の他の作品も読んでみたくなりました。
Wikiで調べて、出版された順に読んでいこうと、この本にたどり着きました。
結果、青山美智子は大正解。
本屋大賞2022の候補作品を6つ読んで、『赤と青のエスキース』は大賞を受賞してもいいと思っていました。実際、大賞の発表前にTwitterでそうツイートしました。結果は2位でしたが、大きな衝撃がありました。
(ちなみに6つのうち2つがハズレで、読んでいるのが苦痛だったので6つでやめました汗。いくら本好きの僕でも、好き嫌いはあります。)
普段はミステリーばかり読んでいるので、青山美智子の誰も死なない話は気持ちを楽にさせてくれて、新しい感動があります。
表紙のイラストも印象的。
どこか癒されるものがあります。
僕は電子版で読みましたが、もし紙の本で買ったら、背表紙ではなくて表紙をこちらに向けて本棚に置いておきたいような。そんな大事にしたい気持ちが生まれてきます。
あらすじと感想
僕が働く喫茶店には、不思議な常連さんがいる。必ず木曜日に来て、同じ席でココアを頼み、エアメールを書く。僕は、その女性を「ココアさん」と呼んでいる。ある木曜日、いつものようにやって来たココアさんは、しかし手紙を書かずに俯いている。心配に思っていると、ココアさんは、ぽろりと涙をこぼしたのだった。主夫の旦那の代わりに初めて息子のお弁当を作ることになったキャリアウーマン。厳しいお局先生のいる幼稚園で働く新米先生。誰にも認められなくても、自分の好きな絵を描き続ける女の子。銀行を辞めて、サンドイッチ屋をシドニーに開業した男性。人知れず頑張っている人たちを応援する、一杯のココアから始まる温かい12色の物語。
「BOOK」データベースより
いやあ、とにかく癒される。
ほっこりさせてくれる。
青山美智子が紡ぐ文字には、不思議なパワーが宿っています。
僕みたいにミステリーで誰かが死ぬ話ばかり読んでいる人は、ぜひ1度手に取って欲しいです。
ココアさんから始まる12の物語は、それぞれ楽しめる上に、最後にはピタッとつながって、見事な着地となります。
ココアさんのことも気になりますが、キャリアウーマンや幼稚園の新米先生の話もグッときましたね。
『赤と青のエスキース』でも最後がお見事で、2度読みしました。
青山作品はまだ2冊目ですが、これが持ち味なんでしょうかね。
これから他の作品も読んで、確かめていきたいと思います。
それでは、また。